ビジネスルールとは?概要とルール変更の課題、ルール管理による解決策

ビジネスルールとは

企業は競争を勝ち抜いていくために、他社との差別化戦略を図る経験やノウハウを、ビジネスルール(業務ルール)としてITシステムで活用する必要があります。業務のIT化を実現するにあたり、各社に蓄積されたビジネスルール(業務ルール)は業務要件としてまとめられ、業務ロジックに実装されることになります。

ここでひとつ、質問があります。一度定義したビジネスルール(業務ルール)は不変であり続けられるでしょうか。たとえば、オンライン証券会社の約定手数料を考えた時、初期導入時は業界最安値だったとしても、競合他社がそれよりも安い金額の約定手数料の料金テーブルを提示してくれば、これまで通りの約定手数料のテーブルを維持するか、それよりも安い料金を設定するか、1日の無制限料金を設定することなどを判断しなければなりません。その際に発生する料金テーブルの変更は、ビジネスルール(業務ルール)の変更となります。

他にも、ガス会社や電気会社の料金変更は、資源原価の変動を料金表に反映さねばなりません。また、人事労務の業務では、有休取得義務化などの法規変更により、チェックロジックを変更しなければなりません。
つまり、ビジネスルール(業務ルール)は他社との差別化の源泉であると同時に、外部環境の変化に適宜対応することを求められます。

   
           

ITシステムの変更を難しくするもの

ITシステムの変更の阻害要因

外部環境の変化に合わせビジネスルール(業務ルール)を変更するには、ビジネスルール(業務ルール)が実装されたITシステムを適宜変更しなければなりません。しかし現実には、タイムリーにITシステムの変更が行えないケースが多くみられます。なぜ、ITシステムの変更に時間を要するのかをみていきます。

ITシステムがブラックボックス化している

業務ロジックを理解する人がいないため、仕様特定や要件定義に時間が掛かる。もしくは、業務ロジックを理解する人が属人化(外部ベンダーを含めて)しているため、その人の作業空き状態に左右される。

システムの変更箇所が多い

古いシステムのなかで、同じ業務ロジックが複数箇所に実装されているケースがあり、変更影響の箇所特定に時間を要する。

システム開発だけでなく、テストやリリースなどに時間が掛かる

システムが老朽化していることで、テスト自動化ツールやCI/CDといったDevOpsツールが利用できず、テストやリリースを人の手ですべて実施する必要がある。

ITシステム変更の阻害要因の解決に役立つ資料をご用意しております

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【概要資料】ルールベース開発ソリューション概要資料
  開発効率・保守性があがり、ブラックボックス化の防止ができるルールベース開発について解説
【事例資料】自動車製造業様-環境規制システム-
  即時対応を求められる環境規制業務に、ルールベース開発を適用した事例を紹介
【ウェビナー資料】現場の業務を見える化できる!意思決定(デシジョン)のデジタル化手法
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ビジネスルール管理システム(BRMS)とは

ビジネスルール管理システム(BRMS)がITシステムの変更を楽にします

ビジネスルール管理システム(BRMS)は、ビジネスルール(業務ルール)を業務部門とIT部門の両者が理解できるデジションテーブル(考えられる条件と行動を視覚的に表現した決定表という形にまとめたもの)で表現することにより、ビジネス環境の変化に対して、迅速に追随することを可能とします。

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ビジネスルール管理システム(BRMS)のメリット

ビジネスルールを可視化することでブラックボックス化を防止する

ビジネスルール(業務ルール)が業務部門とIT部門の両者が理解できるデジションテーブル(決定表)で表現されており、このデジションテーブル(決定表)がITシステムの業務ロジックとして、そのまま実行されます。このため、誰でもITシステムに実装されている業務ロジックを把握することができます。

システムの変更箇所が簡単に特定できる。

デジションテーブル(決定表)というシンプルな形で業務ロジックが表現されているため、変更対象の影響特定に要する時間を削減することが可能となります。この特性は、短いイテレーションのなかで素早く届けるアジャイル型開発と好相性を示します。

自動化ツールなどを適用して、省力化を実現できる。

ビジネスにおいて意味のある小さな単位で、ビジネスルール(業務ルール)をテストやリリース可能となることから、新しいシステムアーキテクチャに適用しやすく、テスト自動化ツールやCI/CDをはじめとするDevOpsなど自動化ツールを用いて時間短縮や省力化が可能となります。

ビジネスルール管理システム(BRMS)について解説した資料をご用意しております

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【概要資料】ルールベース開発ソリューション概要資料
  開発効率・保守性があがり、ブラックボックス化の防止ができるルールベース開発について解説
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  複雑な生産ライン割り当ての自動化にルールベース開発を適用し、担当者のノウハウをルール化するケースを紹介
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  複雑な業務仕様をルールベース開発適用によりシステム改修コスト削減、ペーパーレス対応をした事例を紹介

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ビジネスルール管理システム(BRMS)適用事例

大阪ガス様|ガス料金シミュレーションシステム

大阪ガス様ではガス小売自由化での顧客獲得競争激化に対応するため、早期に新料金メニューを提供すべく「正確かつスピーディに料金試算するシステム」の開発が急務でした。加えて、料金改定サイクルの短期化に備えた改修しやすいシステムが求められ、BRMSの採用に至りました。

その結果、開発は従来の半分の3ヶ月で完了、ソースコード変更時に全コードにテストが実行される継続的インテグレーションテストの仕組みを構築して正確性を担保しました。また、BRMSを採用したことで今後の料金改定時のシステム変更が容易になり、運用コスト削減が見込まれます。

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まとめ

ビジネスルール管理システム(BRMS)で変化に強いITシステムを

ビジネスルール管理システム(BRMS)は、企業の競争の源泉であるビジネスルールに着目し、ビジネスルール(業務ルール)を可読性の高いデジションテーブル(決定表)で表現することにより、ビジネス環境の変化に強いITシステムを構築することを可能にします。

DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に、従来のITシステムを、ビジネス環境の変化に迅速に対応できるITシステムに変えることは、製品やサービスのビジネスアジリティの実現に貢献し、ビジネスの競争優位性を確立することに繋がります。

ルールベース開発プラットフォーム「yonobi」は、世界のBRMS市場において高いシェアを誇る「IBM Decision Manager Open Edition(旧Red Hat Decision Manager)」をベースに、日本語対応をはじめ私たちオージス総研が使いやすさを追求したBRMS製品となっています。無償ハンズオンをはじめ、「yonobi」に触れていただく機会をご用意していますので、ぜひご検討ください。

※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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