物流業務におけるEDIとは?仕組み・メリット・導入のポイントをわかりやすく解説


物流現場では、日々膨大な受発注データや出荷・納品情報、請求処理が行われています。
しかし、紙帳票・FAXなどアナログな手段が多く残ることで、入力作業の負担、確認漏れ、ミス、属人化が慢性化し、現場の効率化を阻む要因となっています。

こうした課題を解消するために、多くの企業が導入を進めているのが「物流におけるEDI」です。
物流におけるEDIは、荷主・倉庫・運送事業者がデータを正確かつタイムリーに共有できる仕組みで、業務効率化だけでなく、2024年問題に向けた働き方改革や「物流二法」に基づく取引適正化の推進にも欠かせない基盤となっています。

本記事では、物流におけるEDIの基本から標準規格(JTRN・物流XML/EDI)、導入メリット、導入時の課題、成功の進め方までを体系的に解説します。
また、EDI運用を効率化するアウトソーシングの活用ポイントや、当社のEDIサービス「eCubenet」の特長も紹介します。

物流におけるEDIとは?

EDI(電子データ交換)の意味と目的

EDI(Electronic Data Interchange)とは、企業間でやり取りされる受発注、出荷、納品、請求といった取引データを電子的に交換する仕組みです。
従来はFAXや紙帳票で行われていた情報伝達をデジタル化することで、手作業の軽減、入力ミスの削減、処理スピードの向上を実現します。

特に物流業務では、1日単位で大量の取引が発生するため、データ交換の電子化は業務効率化の基盤となります。
EDIを導入することで、情報伝達の正確性が高まり、荷主・倉庫・運送事業者間の連携もスムーズになります。

物流業界でEDIが重視される理由

取引情報の多さと業務の煩雑さ
物流現場では、受発注データ、出荷指示、配送情報、納品確認、請求データなど、多種多様なデータが日々大量にやり取りされます。
手作業での確認や転記を続けていると、誤入力や処理遅延が起こりやすく、現場の負荷が増大します。

EDIを導入することで、データ入力や照合作業を自動化し、業務効率と精度を大幅に向上できます。

「物流二法」に基づく取引適正化の推進
近年の法改正により、「貨物自動車運送事業法」「貨物利用運送事業法(物流二法)」のもと、荷主と運送事業者の取引適正化が強く求められています。
契約内容の明確化、運送条件の適正化に加え、特に課題となっているのが荷待ち時間・荷役作業の長時間化です。

    これらの問題を解決するには、
  • 運行予定
  • 到着予定
  • 荷役作業内容
  • 現場の滞留時間
  • などをリアルタイムで共有し、負荷の「見える化」を進める必要があります。
    EDIにより、これらの情報を正確に連携することで、
  • 荷待ち時間の短縮
  • 荷役作業の適正化
  • 運行計画の最適化
  • につながり、取引適正化を後押しします。

業界全体での効率化とデジタル化推進
2024年問題(ドライバーの時間外労働規制)や慢性的な人手不足により、物流のデジタル化は急務となっています。

国土交通省が進める「ホワイト物流推進運動」でも、荷主〜運送事業者~倉庫事業者間のデータ共有や業務の見える化が求められており、その中核となるのがEDIです。

EDIは業務プロセスをデジタル化し、協力会社との連携を円滑にする"共通の言語"として機能するため、物流DXの土台として注目されています。

物流EDIでやり取りされる主なデータと仕組み

物流業界では、荷主企業・運送事業者・倉庫事業者など多様な事業者間で膨大な情報がやり取りされます。紙の帳票やメール、電話による連絡では非効率が大きく、誤入力・誤配送・進捗遅延の原因となることから、これらの情報を正確かつスピーディに交換できるEDIは不可欠な基盤となっています。ここでは、物流EDIで扱われる主なデータ、標準仕様、そして仕組みを紹介します。

物流EDIでやり取りされる主なデータ

物流EDIでは、荷主企業・運送事業者・倉庫事業者の三者間で多様なデータがやり取りされます。典型的には「出荷指示」「配送依頼」「入出庫実績」「納品確認」「請求・支払情報」などの業務データが含まれ、これらが標準化されたメッセージ形式で交換されることで、物流プロセス全体の自動化が進みます。

データはEDI標準メッセージを介して処理され、例えば荷主企業の発注データが自動で運送事業者の配車システムへ取り込まれ、倉庫の入庫予定データに反映されるといった流れが実現します。これにより、手入力の工数を大幅に削減し、情報の齟齬や入力ミスを防げます。

通信方式は、全銀TCP/IPに代表される閉域網型から、インターネットEDI、クラウドEDIまで多様化しています。特に近年はクラウド型の採用が進み、システム保守・接続管理の負担を軽減しながら、多様な取引先との接続にも柔軟に対応できるようになっています。

また、EDIデータの送受信には、ID/パスワードによる認証、通信データの暗号化、アクセス制御などのセキュリティ対策が不可欠です。物流業界では多くの取引先と連携するため、外部脅威から取引データを守るための堅牢な通信基盤の確保が求められます。

EDIによる自動処理を取り入れることで、手作業の削減や入力ミスの防止だけでなく、進捗情報がリアルタイムに共有され、輸送状況や倉庫内処理を視覚化できる点も大きなメリットです。結果として、現場負荷の軽減、リードタイム短縮、顧客サービス向上につながります。

物流EDIにおける情報フローのイメージ

図:物流EDIにおける情報フローのイメージ

物流EDI標準「JTRN(ジェイトラン)」とは

JTRN(ジェイトラン)は、物流EDI推進委員会が開発・維持管理する、運送業界向けの代表的なEDI標準仕様です。荷主企業・運送事業者・倉庫事業者の間でやり取りされる、受発注、配車、運行管理、納品確認などの業務データを統一形式で交換できるよう設計されています。

従来の固定的なEDIに加えて、XML版(JTRN-XML)が策定されたことで、Web-EDIやインターネットEDIにも対応できる柔軟なデータ交換基盤へと拡張されました。これにより、取引先ごとに異なるフォーマットの調整が容易になり、システム間連携の負担を軽減できます。

JTRNは、業界横断の標準フォーマットとして、物流EDI推進委員会が主体となってメッセージ仕様の維持管理や更新作業を継続的に行っていることも特徴です。業務環境の変化や法制度への対応に合わせて改善されるため、長期的に安定した運用を実現できます。

導入による効果として、紙やメールによる書類作成業務の削減、データ入力ミスの防止、受発注~配送~納品までの進捗共有の迅速化などが挙げられます。特に、リアルタイムな情報連携が可能になることで、誤配送の防止やリードタイム短縮にもつながり、物流品質の向上につながります。

JTRNによるメッセージ交換のイメージ

図:JTRNによるメッセージ交換のイメージ

物流XML/EDI標準とは

物流XML/EDI標準は、一般社団法人 日本物流団体連合会(物流連)および物流EDIセンターが中心となって開発・公開している、次世代型のEDI標準です。XML形式を採用しており、従来のレガシーEDIだけでなく、Web-EDIやクラウドEDIにも柔軟に対応できる点が特徴です。

この標準は、荷主企業・運送事業者・倉庫事業者といった物流業界内の異なる業態・異なるシステム間でも、共通フォーマットでデータ交換できるよう設計されています。例えば、荷主が発行した出荷指示データが、運送事業者の運行管理システムや倉庫の倉庫管理システム(WMS)にそのまま取り込めるなど、シームレスな連携が可能になります。

また、同じEDI標準であるJTRN(ジェイトラン)との違いも明確です。

  • JTRNはトラック運送事業者向けに策定された業界特化型の標準で、従来の受発注や運行情報など、トラック運送の実務に沿ったメッセージ構造が中心です。
  • 物流XML/EDIはさらに範囲が広く、物流業界全体のデータ互換性向上を目的に、XML形式を軸とした業界横断型の標準として設計されています。クラウドサービスやWeb-EDIとの相性が良く、今後のデジタル化に適した構造を備えています。

導入により、次のような業務効率化が期待できます。

  • データ互換性の向上 : 異なる機器・システム間でもスムーズにデータ交換
  • システム連携の容易化 : 追加開発の負荷を最小限に抑えて統合可能
  • 入力工数の削減 : 同じ情報を複数システムに二重入力する手間を解消
  • 進捗可視化 : 物流プロセスをリアルタイムに把握し、遅延や誤出荷を早期検知

業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する基盤として、多くの企業が採用を進めているEDI標準です。

物流EDI標準「JTRN(ジェイトラン)」とJTRNと物流XML/EDI標準の主な違い

項目JTRN物流XML/EDI
策定主体物流EDI推進委員会一般社団法人 日本物流団体連合会(物流連)
対象範囲主にトラック運送業界向け荷主・運送・倉庫を含む業界横断的な物流全体
主な用途受発注、配車、運行管理、輸配送データ交換異業態間のデータ連携、Web-EDI/クラウドEDI連携、次世代対応
メッセージ形式従来型EDIメッセージ(固定長形式が中心)、JTRN-XMLでXML対応XMLベース(Web-EDI/クラウドEDI向けの次世代EDI標準)
通信方式全銀TCP/IP、JX手順など従来のEDI通信が中心(XML版はWeb対応)インターネットEDI、クラウドEDIを前提に設計
特徴トラック運送業務に適した実務密着型のメッセージ体系異業態・異システム間のデータ交換を容易にする設計
標準の管理・更新物流EDI推進委員会がメッセージ仕様を維持管理物流連が標準仕様を開発・公開
想定システム運送事業者の基幹システムや配車システム物流事業者・倉庫システム・荷主システムなど幅広く対応
導入メリット書類業務削減、誤配送防止、運行管理効率化、ステータス共有データ互換性向上、システム連携の容易化、入力工数削減、進捗可視化
適しているケーストラック運送事業者やその取引関係のEDI標準化を進めたい場合物流全体のデータ連携基盤を整備し、クラウド/次世代EDIに対応したい場合

物流情報標準ガイドラインとは

物流情報標準ガイドラインは、荷主企業・運送事業者・倉庫事業者といった物流業界全体が、共通のルールで情報をやり取りできるようにするために策定された指針です。目的は、業界横断的なデータ連携を促進し、業務効率化や誤配送防止、進捗管理の高度化など、現場の改善につながる仕組みを整備することにあります。特に、標準化によって異なるシステム同士のデータ互換性を確保できる点は、物流DX推進の基盤となります。

ガイドラインは複数の主要項目で構成されており、実務に沿った形で標準化が進められています。

  • 用語・定義の統一
    曖昧さを排除することで誤解や記録ミスを防止
  • データ項目・フォーマットの標準化
    出荷情報、配送ステータス、荷姿情報などを共通形式で管理
  • メッセージ交換フローの標準化
    受発注、配車、入出庫、配送完了などのデータ交換手順を統一
  • EDI規格(JTRN、物流XML/EDI)との整合性
    既存のEDI標準との互換性を確保
  • システム設計・運用の推奨ルール
    実装方法・運用手順の標準化で、導入企業間の連携を円滑化

このガイドラインを導入することで、現場レベルでの業務効率化が期待できます。

  • データの統一管理により作業負荷を大幅に削減
  • 配送・入出庫などの進捗状況を可視化し、遅延や誤配送を早期に把握
  • 荷主・運送事業者・倉庫といった異業態・異システム間の連携がスムーズに

物流情報標準ガイドラインは、物流業界全体でのデジタル連携を支える"共通言語"として、導入企業の増加とともにその重要性がさらに高まっています。

EDI導入によって物流現場で得られるメリット

業務効率化と人的ミスの削減

EDIを導入することで、受発注・出荷・配送・納品・請求といった一連の取引情報が自動的に処理されるようになり、手入力作業が大幅に削減されます。これにより業務処理のスピードが向上するだけでなく、読み間違い・入力漏れ・転記ミスといった人的エラーの防止にもつながります。特に物流現場では取引件数が多く、手作業による対応には限界があるため、EDI化は業務品質の安定化に大きく寄与します。

取引リードタイムの短縮

従来のFAXやメールによる取引では、受信後の入力作業や確認に時間を要することが多く、配送計画や出荷準備が後ろ倒しになるケースが少なくありませんでした。

EDIでデータが即時共有されれば、出荷指示や配送依頼がリアルタイムで伝達され、倉庫作業や配送手配を前倒しで開始できます。結果としてリードタイムの短縮につながり、特にリードタイムがシビアな食品・日用品などの物流において高い効果を発揮します。

在庫管理・配送管理の精度向上

EDIにより、出荷実績や到着予定、納品確定といった情報が正確かつタイムリーに共有され、在庫情報や配送ステータスを正しく把握できるようになります。これにより不要な在庫を抱えるリスクが低減し、欠品防止にもつながります。また、配送ステータスが可視化されることで、問い合わせ対応やトラブル発生時の判断が迅速になり、物流品質全体の向上にも寄与します。

取引の透明性向上とコンプライアンス対応

物流二法や標準的な運賃制度など、物流の取引適正化が求められるなか、EDIによるデータ管理はコンプライアンスを強化します。運賃情報、積載状況、荷待ち・荷役時間などの取引関連データが客観的に記録されるため、荷主と運送事業者の間で透明性の高い取引関係を構築できます。国土交通省が進める「ホワイト物流推進運動」でも、データ共有を通じた働き方改革や適正取引が重視されており、EDIの活用はその取り組みを支える重要な要素となっています。

物流EDI導入の課題と注意点

物流業界でEDIを導入することで、業務効率化やデータ精度の向上など多くのメリットが得られます。しかし一方で、導入や運用にはさまざまな課題や注意点が存在します。取引先ごとの仕様の違いや既存システムとの接続、現場オペレーションの調整、セキュリティ対策など、事前に課題を把握し、対応策を講じることが、安定運用のためには欠かせません。

導入時に直面しやすい課題

EDIを導入する初期段階では、多くの企業がさまざまなハードルに直面します。まずは、取引先間で採用しているEDI仕様の違いです。JTRNや物流XML/EDIなど、標準仕様が異なる場合、データ形式や通信プロトコルの変換作業が必要となります。この調整作業は、特に複数の取引先と連携する場合に負荷が大きく、導入の遅れや追加コストの要因になりがちです。

さらに、既存システムとの連携も大きな課題です。販売管理システム、倉庫管理システム、運行管理システムなど、既存の基幹システムとの接続改修には手間と時間がかかります。特に中小企業では、EDI接続に伴う初期費用や運用コストが大きな負担となり、導入の意思決定を難しくすることがあります。

また、取引先間のITリテラシーの格差も無視できません。一部の協力会社がEDIに対応できず、FAXやメールを併用せざるを得ない場合もあります。これにより、EDI導入の効果が十分に発揮されず、運用上の調整作業が継続的に必要となる場合があります。

さらに、通信方式や環境の多様化も課題です。全銀TCP/IP、インターネットEDI、クラウドEDIなど、通信方式が多様であるため、取引相手との調整や設定作業が複雑化します。業界内で標準化が十分に進んでいない分野では、独自仕様のEDIが残り、取引先ごとに対応方法を変える必要があることもあります。

運用面での課題とリスク

導入後の運用段階でも、さまざまな課題やリスクがあります。まず、通信トラブルや障害対応の負荷です。データ送受信のエラー検知や再送制御など、日々の運用監視が必要です。障害が発生した場合、自社・取引先・通信事業者のいずれに原因があるかを切り分ける作業は複雑で、迅速な対応体制が求められます。

運用ルールの統一も大きな課題です。締め時間やデータフォーマット、処理手順は取引先ごとに異なることが多く、ルールの統一が難しい場合があります。統一されていないと、担当者間の認識齟齬や運用ミスにつながり、トラブルの原因になります。

セキュリティリスクも無視できません。インターネットEDIでは、認証や暗号化、アクセス制御などの対策が不可欠です。これらが不十分だと、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まり、重大な問題に発展する可能性があります。

また、運用担当者への依存による属人化も課題です。運用やトラブル対応が一部担当者に集中すると、ノウハウが属人化し、引き継ぎや教育が難しくなります。担当者の退職や異動による業務停止リスクも考慮する必要があります。

さらに、法制度や取引慣行の変更への対応も求められます。例えば、インボイス制度や電子帳簿保存法など、外部環境の変化に迅速に対応できるシステムや運用体制の整備が重要です。

導入・運用時の注意点と対策

これらの課題に対処するためには、導入前の事前準備と運用ルールの整備が重要です。

まず、自社業務との整合性を確認します。受発注・在庫・輸送など対象業務のフローを可視化し、EDI化が本当に業務効率化につながる領域を明確にすることが大切です。

次に、標準仕様の選定と運用ポリシーの策定です。JTRN、物流XML/EDIなど、どの仕様を採用するかを取引先と協議し、統一ルールを策定することで、導入後のトラブルを減らすことができます。

通信方式の選択とセキュリティ対策も欠かせません。広域IP網、インターネットEDI、クラウド型など、事業規模や取引先構成に応じた方式を選択し、VPNや認証基盤を導入することで情報漏えいリスクを低減できます。

段階的導入も推奨されます。主要取引先や特定業務(配送依頼、納品確認など)から段階的にEDI化を進めることで、リスクを抑えながら運用を安定化させることが可能です。

さらに、アウトソーシングの活用も有効です。運用監視、接続管理、トラブル対応などを専門事業者に委託することで、安定運用を実現し、社内担当者の負担を軽減することができます。

安定したEDI運用を実現するために

長期的に安定したEDI運用を維持するためには、継続的な運用改善と体制の整備が不可欠です。

まず、運用体制の継続的な見直しが重要です。定期的に接続先や運用ルール、システム環境の棚卸しを行い、現状に適した体制に更新します。

トラブルシューティングとナレッジ共有も欠かせません。過去のトラブル対応事例を蓄積し、マニュアル化・教育体制に反映することで、再発防止とスムーズな対応が可能になります。
さらに、EDIのアウトソーシングやクラウド活用による運用支援も効果的です。専門ベンダーによる24時間監視や障害対応の自動化により、社内リソースを節約しつつ安定運用が可能になります。

また将来の拡張性を見据えた運用設計も重要です。新たなEDI標準(XML、API連携など)への移行を想定した設計を行い、今後の業務拡大や取引先増加にも柔軟に対応できる体制を整えます。

EDIサービスの関連資料

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物流EDI導入を成功させるための進め方

物流EDIをスムーズに導入するためには、単にシステムを導入するだけではなく、事前準備から運用ルールの整備まで一連のステップを計画的に進めることが重要です。ここでは、導入プロセスを段階的に整理し、成功に導くポイントを解説します。

現状の取引・帳票フローを整理する

EDI導入の第一歩は、自社内および取引先との現状フローを把握することです。まず、紙やFAXなどの手作業処理が多い業務領域を特定し、どの取引や帳票がEDI化の対象になるかを明確にします。

さらに、取引先ごとの形式や送受信頻度を把握して、どの業務から優先的にEDI化すべきかを検討します。現状のフローを可視化することで、導入後の効果や課題が具体的に見えてきます。

EDI化の対象と優先順位を決める

次に、EDI化の対象となる取引や業務の優先順位を決定します。全ての取引を一度にEDI化するのではなく、段階的に進めることが推奨されます。

例えば、出荷指示や納品確認など、業務量が多くミスが発生しやすい取引から優先的に自動化することで、業務効率化の効果を早期に実感できます。段階的な導入は、トラブル発生時の影響を最小限に抑える効果もあります。

通信方式・サービス形態を選定する

EDIの導入にあたっては、通信方式やサービス形態の選定も重要です。自社構築型、クラウド型、アウトソーシング型のいずれを採用するかを検討し、コストや運用負荷、セキュリティ要件に応じて最適な方式を決定します。

自社構築型はシステムの柔軟性が高い一方で、初期費用や運用負荷が大きくなります。クラウド型やアウトソーシング型は、導入コストや運用負荷を抑えつつ、複数取引先との連携をスムーズにする利点があります。通信方式としては、全銀TCP/IP、インターネットEDI、クラウドEDIなどがあり、取引先との整合性も確認が必要です。

運用ルールと体制を整える

EDI運用のルールと体制を整備します。トラブル発生時の対応方法やデータ管理の責任範囲を明確にし、継続的に取引先対応ができる仕組みを作ることが重要です。

運用ルールには、送受信の確認フロー、障害時の連絡手順、データの保存・バックアップ方法などを含めます。また、担当者の教育やマニュアル作成を行い、属人化を防ぐことで安定した運用体制を構築できます。

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物流EDI導入は、単なるシステム導入ではなく、業務フロー整理・通信方式選定・運用ルール策定を組み合わせた総合的な取り組みです。これらのステップを着実に実施することで、現場負荷の軽減、データ精度の向上、取引先との連携強化といった効果を最大限に引き出すことが可能になります。

EDIアウトソーシングで物流EDIの課題を解決

物流EDIを導入すると、業務効率化や情報の正確性向上といったメリットが得られますが、同時に運用・管理面での負荷も発生します。特に取引先ごとの仕様の違いやシステム連携、トラブル対応などは自社だけで対応するには負担が大きいことがあります。こうした課題を解決する方法として注目されるのが、EDIアウトソーシングです。専門のサービス事業者に運用や保守、取引先対応を委託することで、自社の負担を軽減しつつ安定したEDI運用を実現できます。

EDIを外部委託するという選択肢

EDIアウトソーシングでは、運用・保守・取引先対応を専門事業者に任せることが可能です。これにより、自社内で発生する接続管理や障害対応の負荷を大幅に軽減できます。また、障害発生時には、迅速に対応可能なサポート体制が整備されており、社内担当者の負担を抑えつつ、EDI運用の安定性を確保できます。さらに、複数の取引先や規格への対応も柔軟に行えるため、導入後の運用がスムーズになります。

アウトソーシングの導入効果

EDIの運用を自社で行う場合、接続管理やトラブル対応は社内担当者に依存し、障害発生時の対応遅れや属人化のリスクがあります。また、基幹システムの改修や通信環境の整備など、初期導入コストや定常的な運用コストが負担となることも少なくありません。取引先ごとの規格違いへの対応や新規取引先追加も手間がかかります。

一方で、EDIアウトソーシングを活用すると、運用・監視・障害対応を専門事業者が担当するため、社内担当者の負荷を大幅に軽減できます。初期導入時も既存環境への影響を最小化でき、取引先追加や規格対応も柔軟に行えます。障害発生時には専門チームが迅速に初期対応を行い、システム更新や将来の拡張にも対応可能です。さらに、定額または利用料ベースで運用コストを予算化できるため、社内リソースを戦略的業務に集中させることができます。

項目自社運用EDIアウトソーシング
運用負荷社内担当者が接続管理・トラブル対応を担当。障害発生時は業務停止リスクが高い運用・監視・障害対応を専門事業者が担当。社内負荷を大幅に軽減
初期導入コスト基幹システム改修や通信環境整備が必要。中小企業は負担が大きい導入費用は発生するが、既存環境への影響を最小化。取引先追加も容易
運用コスト定常的な人件費、システム保守費が発生定額または利用料ベースで予算化可能。運用負荷分もコストに含む
障害対応担当者依存。対応の遅れや属人化リスクあり障害発生時には専門チームが迅速に対応。初期対応の標準化が可能
取引先対応取引先ごとに設定・管理が必要。規格違いへの対応が負担複数規格・取引先に柔軟対応。新規取引先追加もスムーズ
システム更新・拡張性社内リソース次第で対応が遅れやすい最新EDI規格への対応やシステム拡張を委託可能。将来の拡張性確保

このように、EDIアウトソーシングは、単なるコスト削減の手段ではなく、物流EDIを安定的・効率的に運用するための戦略的な選択肢となります。

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EDIアウトソーシングサービス「eCubenet」の概要と特長

「eCubenet」は、幅広いEDI規格や通信方式に対応するアウトソーシングサービスです。JTRNや物流XML/EDIといった主要なEDI標準のサポートに加え、全銀TCP/IP、インターネットEDI、クラウドEDIなど、多様な通信方式に柔軟に対応しています。
主な特長としては以下の通りです。

  • 複数の取引先や規格に対応可能
  • 自社運用の負担を大幅に軽減
  • 障害発生時には、専門のサポート担当が迅速に状況確認と原因切り分けを実施し、復旧までの対応を支援
  • 運用の属人化を回避し、安定したEDI運用を実現

これにより、システム運用経験が少ない企業でも、安心してEDIを利用することができます。

物流業務での活用シーン

「eCubenet」を活用することで、荷主・運送事業者・倉庫間の帳票データ交換を自動化できます。従来はFAXやメールなど手作業で行っていた発注指示、納品確認、請求処理などのデータ連携を電子化することで、作業負荷を大幅に軽減可能です。
また、取引先ごとに異なる規格やフォーマットにも柔軟に対応できるため、新規取引先追加やシステム更新の際にもスムーズに運用を継続できます。

導入による効果

「eCubenet」を導入することで、物流EDI運用にかかる社内工数やトラブル対応コストを削減できます。具体的には、手入力やFAX対応の削減、進捗確認作業の効率化、障害発生時の対応負荷の軽減などが挙げられます。

さらに、社内でのEDI運用から脱却することで、担当者依存や属人化リスクを回避し、安定的かつ効率的な業務運用を実現できます。

サポート体制と安心の運用支援

「eCubenet」では、運用監視や問い合わせ対応、障害発生時のサポート体制を整えており、運用時の安心感を提供しています。具体的には、障害が発生した場合に専門スタッフが迅速に状況を確認し、原因を切り分けたうえで復旧までの対応を支援します。

また、トラブル対応マニュアルや過去の事例を活用して、社内担当者への負担を軽減しながら安定したEDI運用を継続できる体制を構築しています。

まとめ ― 物流EDIをスムーズに進めるために

物流業務におけるEDIの導入は、取引情報の大量処理や手作業によるミスの防止、業務効率化、コスト削減、さらにはBCP・災害対策の観点からも必要とされています。また、「物流二法」や人手不足の問題を背景に、荷主・運送事業者・倉庫間での情報連携や業務の見える化は、現場負担軽減と適正な取引の推進に不可欠です。

物流EDIをスムーズに導入するためには、自社に合ったステップを整理し、段階的に進めることが重要です。まずは自社業務の課題整理を行い、受発注や在庫管理、輸送などの業務フローを可視化します。次に、適切なEDI標準仕様や通信方式を選定し、取引先との整合性を確認します。そして、運用ルールや体制を整備し、トラブル対応やセキュリティ管理の仕組みを確立します。

さらに、運用監視や接続管理、トラブル対応の負担を軽減するためには、EDIアウトソーシングの活用が有効です。特に、幅広いEDI規格や通信方式に対応できる「eCubenet」を利用すれば、複数の取引先やシステムに柔軟に対応できるため、導入後の安定運用が容易になります。これにより、社内リソースを効率的に活用しながら、業務効率化や現場負担の軽減を同時に実現できます。

物流EDI導入のポイントを振り返り、課題整理→方式選定→運用体制のステップを確認し、必要に応じて「eCubenet」のようなアウトソーシングサービスを活用することで、業務効率化と現場負担軽減を両立したスムーズなEDI導入が可能です。

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2025年12月25日公開
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

関連サービス

  • EDIアウトソーシングサービス

    オージス総研のEDIアウトソーシングサービスは、お客様のEDI(電子データ交換)を当社にお任せいただけるフルアウトソース型のサービスです。受発注業務をはじめとする、お客様と取引先の各種取引業務において、データの交換や変換等の各機能をご提供します。

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