企業におけるAI活用
各企業において、AIはさまざまな分野で活用され始めております。その背景としては、データ量の増加、コンピューティングパワーの増大、AI技術の進化、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の要素が考えられます。利用は大きく「従来のAI」と「生成AI」に分けることができます。それぞれの異なる特性を理解し、目的に応じた使い分けが必要となります。
今回は、それぞれの特徴や使い方をお伝えいたします。
従来のAIの特徴
従来のAIは、事前に定められたルールやアルゴリズムに基づいて動作します。これらのルールは人間によって設定され、従来のAIはそれらに厳密に従います。例えば、特定のキーワードやフレーズが入力された場合に特定の応答を返すようなものです。従来のAIは制約が多く、予測可能な結果を生み出しますが、一方で柔軟性に欠け、人間のような自然な会話の生成や新しい状況への適応は難しいようです。
生成AIの特徴
生成AIは、深層学習(ディープラーニング)の要素技術がベースになっています。データセットからパターンを抽出し、学習したパターンを基に、新しい入力に対して自然な応答を生成することができます。生成AIは、トレーニングされたデータセットを利用して新しい文脈や状況に適応することができますが、その能力には限界があります。特に、訓練データにない状況に対しては、必ずしも適切な応答ができない場合があります。
従来のAIと生成AIの使い方
例えば、パソコン不具合時のお客様からのお問い合わせ対応にAIを活用した場合、以下のようにその動作は異なります。その一例となります。
お問い合わせ内容
「パソコンの動きが急に遅くなりました。改善策を教えてください。」
従来のAIの場合
回答例 | 「パソコンが遅くなった場合、以下の手順をお試しください。 再起動:まず、パソコンを再起動します。 アプリケーションの確認:不要なアプリを閉じてください。 クリーンアップ:ディスクのクリーンアップを行い、不要なファイルを削除します。 ウイルススキャン:ウイルス対策ソフトでスキャンを行ってください。 以上の点をチェックしても改善しない場合、専門家に相談することをお勧めします。」 |
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生成AIの場合
回答例 | 「パソコンの動きが遅くなる原因はいくつかあります。まず、たくさんのプログラムが同時に動いている場合、処理能力が足りなくなっているかもしれません。そんな時は、使っていないプログラムを閉じてみてください。また、ハードディスクに不要なファイルがたまっていると、動作が遅くなることがありますので、ディスクのクリーンアップも有効です。さらに、ウイルスやマルウェアが影響している場合もあるので、定期的にウイルススキャンを行うことをおすすめします。もし可能なら、メモリを増やすことも考えてみてください。すると、より多くのデータを同時に処理できるようになります。お困りのことがあれば、お気軽にご相談くださいね。何か具体的に気になることや試してみた結果があれば教えてください。次のステップを一緒に考えましょう。」 |
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従来のAIはシンプルなタスクと予測可能な応答(決められた行いを自動化)、生成AIは複雑なタスクや自然な対話(各種データから学習していろいろなコンテンツを作成)に適していると言えます。
一方、従来のAIは新しい状況や文脈に適応するのは難しく、生成AIは新しい状況で必ずしも最適な応答ができるわけではありません。企業におけるAI活用は、これらの特徴を理解した上で業務の特性に応じて使い分けることが必要となります。
従来のAIと生成AIの使い分け
従来のAI
一連のルールやアルゴリズムに基づいて動作します。その仕組みから、明確なルールと手順が設定された業務に適しています。
適用業務 | 在庫管理(在庫状況の監視)、購買(自動発注)、会計(請求書処理)、またはIT(一部のサポートヘルプデスク機能)など、ルールとパターンに従う作業に一般的に適しています。 |
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生成AI
人間が書いたようなテキストを生成する能力を持っています。これらのAIは、自然言語の理解と生成に基づいており、より人間らしい対話や文章生成が可能です。
適用業務 | マーケティング(広告文の生成)、カスタマーサービス(自動応答、FAQの作成)、人事(求人情報の作成)、報告(分析結果の要約)など、一方的なコミュニケーションだけでなく双方向の対話も必要な業務に適しています。 |
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従来のAI、生成AIに関する弊社ソリューションの資料
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2025年2月4日公開
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