バックキャスティングによる新規事業企画に重要な「エスノグラフィ」の観点をご紹介
新規事業企画で注目されるバックキャスティング
新規事業企画のアイデア発想法の一つとして、バックキャスティングが注目されています。
バックキャスティングとは、未来のあるべき姿(To Be)を描くことから始め、あるべき姿から逆算を行うことで、現状(As Is)の課題を理解し、課題解決の道筋を明らかにする手法です。従来の現状分析から未来を構想する手法とは異なり、現状に縛られない革新的な事業企画のアイデアが期待されています。
バックキャスティングでは、未来のあるべき姿を定義するための素材として、メガトレンドや超長期の技術・研究開発ロードマップが使われています。メガトレンドとは、公的機関や学術機関が発表した人口動態・気候変動・テクノロジー・予定されているイベントなど、既に未来が確定しているシナリオです。一方で技術・研究開発ロードマップは、自社内の超長期における研究開発計画から、未来におけるシーズのシナリオとして活用をされています。
バックキャスティング活用における課題
未来のあるべき姿を定義するための素材として、メガトレンドや技術・研究開発ロードマップは有効です。
しかしながら、新規事業企画において、重要な点である「人間中心の考え方」が抜け落ちています。未来のあるべき姿の定義は、外部環境のシナリオだけで決定するものでは無く、人間の感情や価値観を落とし込むことで、より未来のあるべき姿が鮮明になると考えられます。
エスノグラフィの観点で未来のあるべき姿を捉える
人間中心で考え、未来のあるべき姿を定義するためには、エスノグラフィの知見が役に立ちます。
エスノグラフィとは、文化人類学において異文化を理解するための手法として活用されてきました。古くはイギリスの東インド会社が植民地支配・統治のために、異国の調査研究として活用した手法でもあります。
エスノグラフィの手法とは、人々の行動や文化を詳細に観察し、共感を得て、理解をすることで、異文化の人間の価値観や、生活様式、ニーズ、文化、コミュニケーションを明らかにし、編纂をするものです。
そのため、バックキャスティングを用いて未来のあるべき姿を描く上では、メガトレンドや技術・研究開発ロードマップより得られた未来像から、エスノグラフィの観点で分析し、捉えなおすことで、より具体性のある未来のあるべき姿を定義できるものと、私たちは考えています。
エスノグラフィを用いた新規事業企画支援については、行動観察コンサルティングにて参考資料がございます。
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学べること
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2025年6月20日公開
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