標準EDIの一種「業界VAN」とは?メリットや種類などを解説

企業同士で契約書や商取引書類などをやりとりできるEDI(電子データ交換)には、個別EDIや標準EDIなどの種類があります。企業ごとの規格を作る個別EDIとは異なり、標準EDIは業界ごとに規格が標準化されていることで、業界内でのやりとりの効率化が可能です。

なかでも「業界VAN」は、特定業界同士でのやりとりを円滑にできる規格であり、その利便性から多くの企業で利用されています。この記事では、標準EDIの一種である業界VANについて解説します。

EDIには複数の種類・規格がある

業界VANがEDIの一種であることからわかる通り、ひとくちにEDIといってもすべてが同じ規格、コンセプトというわけではありません。EDIには個別EDI、標準EDIなど複数の規格が存在します。

特定業界ごとの標準化によってやりとりを円滑にできる「業界VAN」の特徴

トラックとダンボール

業界VANの特徴は特定の業界に特化している点にあります。

業界VANが登場した背景

企業間のやりとりを円滑に進める業界VANは業界ごとのVANです。そもそも「VAN」とは何かについて、VANの登場した背景を含めて知ることで、業界VANの理解が捗るでしょう。

VAN(Value Added Network)は付加価値通信網と呼ばれているネットワークサービスです。主に通信事業者から回線を借り受けた事業者によって提供されるサービスで、通信回線にデータ処理などの付加価値となる機能を持たせることにより、企業間のやりとりを効率化・迅速化するなどのメリットがあります。

そもそも企業間のやりとりがアナログで行われていた時代から、業務効率化の一環として百貨店やチェーンストアなどの業界ごとに、それぞれの商習慣や事情にマッチした統一伝票が使用されています。時代がオフラインからオンラインへと進んでいく過程で、官の事業から民の事業へと変貌を遂げたのが電気通信サービスです。

1985年4月には電気通信事業法が施行され電電公社がNTTに変わるといった大変革が行われました。回線を持たない事業者の参入が可能になったこともあり、この頃から企業同士のオンラインでのやりとりを可能とする大規模なVANサービスが普及しはじめます。

その後、EDIが登場しますが、あらかじめすべての取引先との調整やシステム開発をする必要があったことから必ずしも使い勝手のよいものとはいえない部分がありました。業界で共通する取引先コードや商品コードを使用した業界VANの登場へと続きます。

業界VANはさまざまな業界ごとに複数存在

業界VANはさまざまな業界で活用されており、各業界で複数存在しています。それぞれ特定のVAN事業者が主導し、通信プロトコルやデータ形式・商品コード・取引先コード・運用ルールなどを標準化していることが大きなメリットで、多くの企業に活用されているポイントです。

ここでは主な業界VANサービスを紹介します。

  • 酒類や加工食品業界に強い「FINET(ファイネット)」
    ファイネットは酒類や加工食品のメーカー・卸が多数加盟している業界VANサービスです。商品流通VAN EDIサービスの加盟社数は2,500社以上で大手企業から中小企業まで幅広く利用しています。ファイネットの特徴は、Host接続とWeb-EDIの2種類から自社にマッチした接続方法を選べる点やヘルプデスクによる365日のサポートを受けられる点などです。
    FINET(外部サイト)
  • 日用品や化粧品業界向け老舗サービス「プラネット」
    日用品や化粧品業界の利便性が高い20種類のデータフォーマットを持つプラネットの基幹EDIは、基幹EDIの用意がない相手先との接続を容易にするWeb発注、FAX変換、販売レポートなどの補完サービスが揃っています。日本を代表する企業を含め、利用する企業数は1,500社以上です。
    プラネット(外部サイト)
  • JD-NET
    JD-NETは医薬品流通の改善を目的として設立されたJD-NET協議会が提供する医薬品の業界VANです。関連団体に製薬会社や医薬品卸売会社の業界団体があり、各団体の標準マニュアルに基づいた円滑なデータ交換ができます。
    JD-NET(外部サイト)
  • 家庭用品と食品軽包装業界に特化した「ハウネット」
    ハウネットは家庭用品と食品軽包装業界の業界VANとして、安全・安心・安定の3Sインフラ環境を提供しています。地震や火災などの災害対策、セキュリティ対策、2系統受電やUPSによる停電対策が特徴です。
  • e-お菓子ねっと
    e-お菓子ねっとは菓子業界VANシステムを前身とする業界VANで、2000年に現在の名称に改称しています。加盟企業数は約600社です。e-お菓子ねっとはユーザーと契約を締結する運営主体である富士通Japan株式会社に対し、任意団体であるe-お菓子ねっとが助言・指導等を行う体制になっています。
    e-お菓子ねっと(外部サイト)
名称対象業界運営団体
FINET(ファイネット)酒類・加工食品株式会社ファイネット
プラネット日用品・化粧品株式会社プラネット
JD-NET医薬品JD-NET協議会
ハウネット家庭用品・食品軽包装協同組合ハウネット
e-お菓子ねっと菓子富士通Japan株式会社

最適なEDI導入方法・規格についてのご相談はオージス総研へ

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受発注業務の最適化には、事業の種類ごとに適切なEDIを導入することが大切

個別EDIは相手先企業の数だけ準備が必要で、標準EDIではまだ足りないという業界にマッチしたEDIを求めるユーザーに適しているのが特定の業界に特化した業界VANです。受発注業務の最適化を考えるなら、自社の事業に相応しいEDIを導入する必要があります。EDI導入のお困りごとはオージス総研にご相談ください。

2026年4月27日公開
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