メール誤送信対策~BRMSによる独自ルールの自動チェック機能構築~
メール誤送信のリスク
メールの誤送信は、企業にとって情報漏洩など大きなリスクを伴います。誤って送信されたメールが原因で、社会的信用の失墜だけでなく取引の停止に発展することもあります。このような問題を防ぐために、企業はさまざまな対策を講じていますが、従来の方法では限界があります。
メール誤送信対策の問題点
メール誤送信を防ぐための対策は多岐にわたり、メールチェックを行うツールの導入、確認フローや社員教育などが行われています。しかし、それらが万全とは限らず、現場で運用する中で以下のような課題が生じることがあります。
まず、誤送信防止ツールを導入しても、人が最終確認をする限り「ヒューマンエラー」の可能性はゼロにはなりません。慣れによってチェックが形骸化し、ツールがただの通過点となってしまうこともあります。
また、確認作業や承認プロセスが増えることで、メール送信までのスピードが落ち、業務効率が下がるというデメリットもあります。これにより、「急ぎのメールなのに時間がかかって送れない」といった不満が現場から上がることも想定されます。
さらに、対策にはコストがかかる場合が多く、中小企業にとっては導入が大きな負担となることもあります。加えて、社員一人ひとりのセキュリティー意識やリテラシーには差があり、教育だけで意識の定着を図るのは容易ではありません。
運用ルールも複雑化しすぎると、かえって守られなくなり、誤送信リスクが逆に高まるという皮肉な結果を招くこともあります。
BRMS(ビジネスルール管理システム)導入による効果
この課題を解決するために、ある企業ではBRMS(ビジネスルール管理システム)を導入しました。このシステムでは、ツール導入とは別に、独自ルールをルールベース開発で構築し、メーラーのアドオンと連携してチェックする仕組みを構築しました。
これにより、重大なインシデントにつながる誤送信のリスクが低減しました。
- 1.ルールの一元管理による誤送信防止
- メール送信時の宛先・添付ファイル・本文内容などに関するルールを一元的に管理。
- たとえば「社外宛てには必ず添付ファイルを暗号化」「新規宛先には警告表示」など、複雑な条件を柔軟に設定可能。
- 2.変更への即時対応と柔軟性
- 法令や社内ポリシーの変更に合わせて、ルールを即座に更新可能。
- 3.ヒューマンエラーの抑制
- メール送信前に自動でルールチェックが行われ、違反があれば送信をブロックまたは警告。
- 4.他システムとの連携性
- メール誤送信防止ツールと連携し、より強固なセキュリティー体制を構築。
ルールの随時更新により短期間での再発防止対策が可能に
ビジネスルールはサーバー側で一元管理されています。インシデントやヒヤリハットが発生した際には、即日でメールチェックのルールを追加することで、短期間での再発防止策の実施が可能となりました。メール送信のチェックルールは理解しやすい決定表の形式で定義されるため、実際のメールを作成・送信する業務部門とIT部門の間での認識共有にも役立ち、スムーズに作成、確認ができるようになりました。
<詳しい資料がご覧になれます>メール誤送信防止のためのBRMS(ビジネスルール管理システム)導入は、企業のセキュリティー対策を強化する有効な手段です。パッケージ製品と組み合わせることで、よりシステマチックなチェックが可能となり、誤送信のリスクを低減することができます。
興味を持たれた方は、ぜひ詳細な資料をダウンロードしてご覧ください。
\ 10種類以上の利用シーン資料や、導入事例資料をご用意しております /
2025年8月18日公開
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
関連サービス
-
ルールベース開発(BRMS)特集
オージス総研の強みであるモデリング技術と、BRMS(Business Rule Management System)を融合した「ルールベース開発ソリューション」をご紹介します。
-
ルールベース開発プラットフォーム-yonobi®-
オージス総研はBRMSの開発経験を通じて得た知見やノウハウから、新たにルールベースAIという概念を取り入れ、yonobi®を開発しました。最短15分で、新しいルールをリリースすることも可能です。
関連記事一覧
生成AIを個人活用から社内全体活用へ
グローバル企業に求められる輸出管理 : BRMSで実現する規制対応
IT運用の属人化を解消したい。可視化と自動化で変える運用体制
システムの「ブラックボックス化」の原因と対策
複雑でバリエーションの多い「カード入会審査」
その審査条件の明確化と審査業務の効率化と透明化を実現するBRMS障害対応履歴をAIで確認する ── 過去事例の活用で復旧スピードを改善
業務プロセスを見直し、「使われる仕組み」をつくる3つの視点
バックキャスティングによる新規事業企画に重要な「エスノグラフィ」の観点をご紹介
モダナイゼーション ~業務の効率化~
業務改善・効率化に役立つ「ECRS」、そのメリットと注意点
人事部門の働き方改革。労働時間の実態を適正かつ効率的に把握
生成AI を企業に導入するには?導入ステップと成功のポイントを紹介
業務フロー図を作成する前に準備すべきこと、活用される業務フロー図の作り方について解説
アンケートやインタビューでは明らかにできない
顧客の潜在ニーズを見つける方法「Amazonビジネス」とのデータ連携による経費精算の作業時間短縮
メインフレーム運用業務の自動化で業務効率を最大化する方法
採用業務の効率化に向けたChatGPT活用サービスについて
企業におけるAI活用
生成AIで営業活動を効率化。活用事例とメリット・デメリットを解説
属人化を解消し、業務の効率化をあげる取り組み方
インフルエンサーマーケティングの企画に必要なペルソナの作り方
事務作業を効率化。「APIを活用したファイル送信の自動化」
疲弊するシステム運用現場を自動化ソリューションにて改善する
ERP導入における”Fit to Standard”アプローチ、その成功の秘訣とは
PC管理を効率化するPCLCMのサービス内容と選び方を解説