バックオフィス業務の効率化と事例を解説
企業のバックオフィス業務は多岐にわたり、複雑な手続きや多様なルールが存在するため、業務の属人化や手作業による非効率など、さまざまな問題を抱えています。
本コラムでは、バックオフィス業務における問題や効率化のポイント、成功事例について解説します。
バックオフィス業務の問題
・業務の属人化バックオフィス部門では専門的な知識やスキルを要する業務があることもあり、特定の担当者に業務が集中し、その人がいないと業務が滞るリスクがあります。また、業務が属人化することで、ミスや不正が発生しても発見が難しい等のリスクが高まってしまいます。
・手作業による非効率、ミス手作業でのデータ入力などはヒューマンエラーが起こりやすく、数字の誤入力や誤字脱字、データの取り違えが起こる可能性があります。また、ミスがあった場合、追加で修正作業の対応など工数がかかります。
・情報共有業務ノウハウや情報が担当者個人の頭の中に留まり業務が属人化することで、業務プロセスの情報共有や標準化が進まず、担当者ごとにやり方が異なるため、業務の質やスピードにばらつきが生じ、全体の業務効率が低下します。
バックオフィス業務効率化のメリット
・コスト削減現状の業務プロセスを見直し、ボトルネックとなっている箇所や無駄な作業を削減することで、作業工数および人件費を削減することができます。
・業務品質、スピードの向上業務の進め方や手順を業務ルールとして明確にすることで、誰が担当しても同じ品質・スピードで業務を遂行できるようになります。また、標準化されたルールにより、無駄な作業や重複作業を削減し、全体の業務効率が向上します。
・従業員の満足度向上バックオフィス業務の効率化は、従業員満足度を高める上で重要な役割を果たします。属人的な業務から解放されることで、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、仕事のやりがいや達成感につながります。
バックオフィス業務を効率化する方法
・アウトソーシングの活用バックオフィス業務の一部をアウトソーシングすることで、自社で対応するよりも専門的な知識やノウハウを活用でき、業務品質の向上や効率化が期待できます。例えば、経理、人事、労務、ITサポートなどを外部の専門業者に委託することで、自社の従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。
・ペーパーレス化の推進紙の書類をデジタル化することで、保管スペースの削減、書類の検索性向上、情報共有の迅速化につながります。また、書類の紛失などを低減できるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることもできます。
・業務効率化ツールの導入業務の効率化を支援するツールも多く開発されており、これらを活用することも有効な手段です。ツールを活用することで、業務の効率化だけではなくペーパーレス化や手作業によるミスの削減にもつながります。
バックオフィス業務効率化のポイント
バックオフィスを効率化する際に、意識していただきたいポイントをご紹介します。
- 業務プロセスの見直し・標準化
- 現状の業務プロセスを可視化し、無駄や重複を洗い出す。
- 業務の進め方や手順をルール化し、誰でも同じ品質で作業できるようにする。
「業務プロセスの見直し」と「業務プロセスのルール化」は、バックオフィス業務の効率化を実現するための土台であり、業務の安定性・品質向上・リスク低減に不可欠な取り組みです。
業務効率化ツールで実現する業務ルール化と業務効率化
業務ルールの管理と自動化を通じて、バックオフィスをはじめとしたさまざまな業務の効率化に貢献するツールとして、BRMS(ルールベース開発)の活用が有効です。
BRMSは、業務ルールをシステム上で一元的に管理し、法令改正や社内規定の変更に伴うルール更新をプログラム修正なしで迅速に対応できます。複雑な判断を自動化することで手作業を減らし、人的ミスを防止して業務の効率化を図ることができます。また、業務ルールの明確化により業務改善が進みやすく、変化にも柔軟に対応できるバックオフィス業務の運用が可能になります。
BRMSを活用したバックオフィス業務効率化の事例紹介
バックオフィス部門の業務ルール管理基盤として、BRMS(ルールベース開発)を導入。作業を効率化し業務変化に素早く対応できる仕組みを確立しました。
- <導入背景>
- Excelを駆使した人手による作業では、工数がかかりミスが発生する。
- 作業内容が属人化しており、担当者が不在時に即時対応ができない。
- <対策>
- 既存および暗黙ルールを業務ルールとして抽出。
- 抽出した業務ルールをBRMSで管理するシステムを構築。
- <導入効果>
- ルール化によってヒューマンエラーが減り、半日かかっていた2業務の作業時間を「15分」と「30分」に短縮。
- ルールの「見える化」で業務の属人化を解消。
- 業務ルールの変更が発生した際のシステム反映リードタイムが短縮。
まとめ
バックオフィスにおける業務ルール化は、業務の透明性や一貫性を確保し、属人化やミスを防ぐために不可欠です。具体策としては、BRMSの導入によるルールの一元管理や自動化が有効であり、これにより迅速な対応と業務品質が向上します。こうした取り組みを通じて、バックオフィス業務だけではなく、組織全体の生産性向上が期待されます。
BRMS(ルールベース開発)ソリューション紹介資料

この資料でわかること
・ルールベース開発のメリット
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2025年10月10日公開
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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