イノハブ開催レポート
<イノハブとは> 「新しいカタチを生み出す」ためには、さまざまな企業の人たちや、異なる職種や専門性を持つ人たちが「繫がり」、「情報交換」や一緒に「試す」ことが大切という考えのもと、発足しました。2023年度は、11企業様にご参加いただいております。
2023.3.16
2023年3月16日(木)、今年度最終回となる「イノハブ」定例会は、初の対面形式にて開催しました。
今回は、ファシリテーター石原からのメッセージという形でお送りします。
発足からここまでの1年間、コロナ禍の制約もあり、検討していた「社会見学」や「現地観察」といった企画の実現はできず、月1回の定例会はZoomによるリモートでの開催が続いていました。そのような中での、初めてのリアルでの開催でした!参加者全員の「1回でいいから直接集まりたい」という思いが高まる中でのようやくの実現ということもあり、多くの会員様にご参加いただく形で、熱く楽しい2時間となりました。
1年間、画面越しに会っては来たものの、リアルで初めて会う会員様同士、少し照れくささを含みつつ、お互いのオンラインでの印象との違いなどで談笑もしながら、緩やかにスタートしました。
メインとなるグループ対話では、テーマごとに3つの島に分け、ワールドカフェ形式をベースにし、「脱線も大歓迎!」というルールのもと、1ラウンド20分でメンバーを入れ替えながら行いました。どのテーブルも会話が途切れることなくあっという間の1時間となりました。
時間が経つにつれ、全員が椅子から立ち上がり、テーブルを囲み前のめりになって話す様子、距離がぐっと縮まりながら、時には背もたれにもたれかけてリラックスしながら話す様子、文字だけでなく、図や絵を描いた付箋がどんどん豊富化されていく様子が見られました。
リアルでの交流は、画面越しの言葉と表情の「情報交換」だけでは生まれない『躍動感』や『一体感』があります。同じ場所に集まることの価値や、関係性の醸成は、ここで見られたような言葉以外のさまざまな情報伝達やシナジーにより行われていることに改めて気づくことができました。
一方、オンラインの開催も参加のハードルの低さ、物理的な距離の影響がなくなる、移動時間のなさなど、メリットはたくさんあります。どちらかひとつを選ぶ必要はないものの、参加者がのめりこむ場づくりに大切な「参加保証※1」と「参加増幅※2」を組み込んでいく中で、どちらの方法を採用するかを見極めることも、場のデザインをしていく上で重要なことを改めて実感しました。実際に今回参加いただいた方から、「実は人見知りな性格もあるので、最初から今日みたいな対面だったとしても、これほど楽しめなかったと思います。Zoomで対話を重ねた上での対面だったからこそ楽しめました!」という声もいただいており、それぞれの段階にあった方法を選んでいくことが大切であると感じました。
定例会では、3ラウンドの対話を行った最後には、全員でそれぞれの島を巡り、その島で行われた話題のトピックスを共有しました。最初のテーマから大きく脱線した島もありながらも、そこで新たに生まれたキーワードが複数の参加者にとって「新たな発想のヒント」に繫がるなど、「真面目になりすぎない対話」ができたからこその気づきや発見が見られました。参加いただいた方からも「新しい視点をもらったり、私の視点に新鮮味を持ってリアクションしていただくなど、自他双方に新しい発見を感じられる時間になりました」など、嬉しいコメントをいただいています。
社会変化が目まぐるしい中で、新たな価値を生むためには「越境型」の異なる業種や専門家で協働することが大切だと言われる一方で、実際には、人の性質上「対立が起こる」ことが自然な現象で、「越境型」を実現するのは難しいことも指摘されています。また、経験を重ねるほどに、動き出す前に、明確な「目的」や「意味」が理解できないことには、動かなくなることも指摘されています。
このような人の性質を超えて、"この先に何が起こるか分からない"未知や偶発性に期待しながら、忙しい業務の中で1年間、一緒に場を育てていただいたこと、また、1年前には全く接点のなかった会員の皆様が、業界や役職、専門性や性別、年代を超えて関係性が深まり「仲間」となった様子を目のあたりにすることができたことが、運営側の私自身、非常に幸せな気持ちにさせていただきました。
今回、お仕事のご都合で欠席された会員の皆様も含め、一緒に考え、率先し動き、共に場を育てていただいた皆様に、言葉では表現できないくらいに深く感謝しております。1年間本当にありがとうございました。
社会変化が激しく、予測困難な時代の中で、テクノロジーの利活用は非常に大切です。クリックひとつで、たくさんの情報や知恵、経験、人と繫がれることには価値があります。でも、そんな時代だからこそ、そこに溢れる情報とは違う、「理解」「知恵」「感性」と、それらを持った「人」と「人」が繫がることで、新たに生まれる価値や可能性が無限であると信じています。
イノハブの2022年度の活動は、今回の定例会にて一旦終了となりますが、引き続き、「仲間」を増やしながら、企業や地域、生活者が「緩く繫がれる」場、意図的ではなく「意志が動く」場づくりを目指し開発、提供を行って参ります。
会員の皆様をはじめ、1年間、ご協力・ご支援いただいた社内外の皆様に、深く感謝いたします。近いうちにまたお会いしましょう!
ファシリテーター 石原妙子
※1・・心理的安全性の担保
※2・・参加者の協働性や発想を活性化させること
2023.2.16
「イノハブ」2月定例会を、2023年2月16日(木)にZoomにて開催しました。
多くの企業様はまだまだ慌ただしい中での開催でしたが、久しぶりに顏を見せてくださった会員様も複数おられ、先月の「少人数の良さ」とはまた違った良さのある、運営側としても嬉しい2時間となりました。
今月も、後半50分間はグループ対話とし、会員様から話題提供いただいたテーマについて情報交換や対話を深めました。各グループの話題提供側のメンバーを中心に、同じ業界の中でも違うことや、一見全く関連性のない業界でも同じ共通項に気づくなど、質の良い「問い」や「発言」が紡がれ、時間を余すことなく、活発な対話が行われました。
来月は、いよいよ待ちに待った、対面形式の開催です!
この1年間、「初対面の人同士の交流が育まれにくい」オンライン形式で定例会を開催してきました。しかし、そのような不自由さの中でも、皆様の相互支援や率先垂範な関わりにより、ここまで場を継続・成長してきました。皆様へは深く感謝をしつつ、来月、直接対面することで、更なる創発や深化が起こることを期待しています。
2023.1.19
「イノハブ」1月定例会を2023年1月19日(木)、Zoomにて開催しました。
「1月住ぬる2月逃げる3月去る」と言われる通り、各企業様の慌ただしさが増す中での開催となりました。しかし、新たに提供いただいた話題は、会員の皆様の企業や担当者として、各自が日々悩みながら、工夫し、取り組む共通共感の高いテーマだったため、活発に意見交換や互いの取り組み内容など情報交換を行うことができました。
日々刻々と状況が変わるコロナ禍において、以前にも増して「対話」の重要性、人々が話し合う力に注目が集まる一方で、実際にこのような場を展開することは簡単ではないことが指摘されています。
その中で、昨年春に開始した「イノハブ」は、お一人お一人が、お互いを尊重し他の人の意見に「傾聴し」「考え」「その考えを話す」交流を繰り返してきたことで、業種や職種、年齢や性別などの違いが活きるカタチへと、会員の皆様が、場を育ててくださっていることを、改めて実感した2時間でした。
2022.11.24
「イノハブ」11月定例会を2022年11月24日(木)、Zoomにて開催しました。
9月から11月の3回継続で、参加企業様から話題提供いただいた業務課題や関心ごと別に3つのグループに分かれ、各グループで活発な意見交換やアイデア発想が行われました。
オンライン環境という制約が多い中、月1回2時間の短い時間ではありますが、回を重ねるごとに、参加者同士の距離が縮まり、対話の内容もより深く、広がりも増しているように感じられます。
2022.10.20
「イノハブ」10月定例会を2022年10月20日(木)に、Zoom にて開催しました。
会員の皆様からの希望を踏まえ、9月~11月の3回で参加者3名様から話題提供いただいた実際の業務課題や関心別に、3つのグループに分かれ実施しました。
ここまでの会員の皆様の交流のご様子から、場のデザインとしては難易度が高い型である「ゴール設定」や、進め方、役割分担などは定めず、「グループ主体」で自由に行ってもらうことにしましたが、いずれのグループも、カジュアルな雰囲気を維持しながらも、「問い合い」「確認しあう」質の高い対話がなされていました。
2022.9.15
「イノハブ」9月定例会を2022年9月15日(木)に、Zoomにて開催しました。
今年4月からはじめた『イノハブ』は、交わる機会の少ない業界や専門性、企業の人たちが集まることによる「偶然の化学反応」を期待し、「楽しむことからはじめよう」とスタートしました。
前回までは、こちらから提供するテーマをもとに意見交換を行ってきましたが、今月からは、参加者3名に、実際の業務課題や関心ごとをテーマ提供いただくスタイルへと変化。後半のテーマごとに分かれたワーク時間には、どのグループも活発な意見交換が行われました。
2022.7.21
「イノハブ」7月定例会を2022年7月21日(木)に、Zoomにて開催しました。今回も異なる業界の複数社の方にご参加いただきました。
前半は、「自己紹介」。
これまでも、グループワーク内で自己紹介は繰り返してきたため、お互いのお顔の認識はできている中で、この後更に『繋がる形の可能性を高める』目的で行いました。
後半の「意見交換」は、今回は新規事業をはじめ、昨今加速する組織変革や人事面の新たな課題をテーマに、グループごとに実施しました。
今回も、オンラインのコミュニケーションの不自由さを越え、各グループとも活発な意見交換が行われ、更に深掘りしたくなる、新たな気づきの「芽」、新たな問いの「芽」がいくつも創出されました。
2022.6.23
本年度より、オージス総研 行動観察リフレーム本部で開始した「新しいカタチを生み出す『試してみる』場 イノハブ定例会」を2022年6月23日(木)15:00~17:00に、Zoomによるオンラインで実施しました。 今回は、異なる業界の8社14名の方にご参加いただきました。
「イノハブ」を、参加いただく皆様それぞれにとって、色々な形の価値へと繫がる場にするために、前半は、想いやアイデアを共有しました。後半は、話題提供者からの「問い」を起点に、グループに分かれて、情報交換を実施しました。
オンラインのコミュニケーションの不自由さを越え、各グループとも、活発な意見交換が行われました。
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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