第135回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 6 ~労働生産性向上の視点から(前半)~
2022.02.28 山口 裕幸(九州大学 教授)
筆者が20年ほど前(1999年)にアメリカのニューヨーク州立大学ビンガムトン校のリーダーシップ研究センターを訪ねて、現地の研究者達と研究交流した際、日本の国立大学では、研究費は応募して競争的に獲得するだけでなく、年度ごとに安定して支給されることや、定年まで雇用が保障されているテニュア待遇が標準であること等について、日本の大学教員の待遇はうらやましいと言われたものである。給与額についても、「それだけもらえればいいよね」という反応がほとんどだった。しかし、ここ数年、海外の優れた研究者を日本の大学に招聘しようとリストアップした研究者たちに相談してみても、研究費や給与の低さがネックとなって実現を見送らざるを得ないことばかりである。
ことは大学や科学研究のみに限ったことではなく、ガラパゴス化の指摘をはじめとして、日本社会の発展が頭打ち傾向、衰退傾向を示していることを指摘する論説を見聞することは多い。名目GDP(国内総生産:1年間に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況の指標)は、2022年1月4日時点の国連統計では世界3位であって、まだまだ十分に経済大国と胸を張れる実績だ。しかし、国民1人あたりで計算してみると29位でしかない。図1に示した1990年から2020年までの名目GDPの推移を示すグラフを参照しても、中国の飛躍的な発展は特別だとしても、アメリカは大きく上昇を続け、他国もそれなりに伸びているのに、日本は横ばい状態が続いてきたことがわかる。
さらには、国税庁の民間給与実態統計調査の結果によれば(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/top.htm#b-00(外部リンク))、労働者の平均給与は1998(平成10)年までは緩やかに増加傾向にあったが、それ以降は、横ばいあるいは減少傾向に入っていることが示されている。実際のところ、日本人の平均の給与額は、90年代よりもむしろ下がったままで現在まで推移している。全労連は、この間に、軒並み諸外国に追い抜かれていることを、OECDのデータに基づいて指摘している(https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf(外部リンク))。
働き過ぎを指摘されるほど、一生懸命に働く日本人なのに、なぜ、かえって経済の低迷が長引くことになっているのだろうか。その理由としては、様々に論じられている。例えば、円安政策によって、日本企業は企業体質を変革しなくても、そこそこの利益を上げ続けられたため、従業員のやる気を高める必要に迫られることもなく、その結果、給与も上げずにすんだとか、GDPの7割を占める中小零細企業のIT化が進まず、無駄な事務作業が多く、生産性が低く、高い付加価値を生み出せずにいると言った指摘である。他にも多種多様な理由が挙げられるが、中でも注目されるのは労働生産性の低さである。
労働生産性は、労働投入量(input)に対する労働産出量(output)の大きさを意味する。実のところ、労働に際して人が投入する資源は、モチベーションや責任感等の心理的なものも多いが、目に見える形で把握できるのは労働時間である。それに対して、労働で産出する資源としては、製品や売上金額のような物質的なものに加えて、企業のイメージや信頼の向上といった付加価値も含めて捉える。この投入と産出の比率が、日本の場合、諸外国、特に先進国と比較して低いレベルにとどまってしまっている。OECDによれば、日本の労働生産性は世界37位である。ひとことで言ってしまえば、労働時間は長いのに、それに見合う成果が上がっていないのである。
働く者の実感として、残業もあり、働く時間が長いため、心身の疲労が蓄積し、モチベーションが今ひとつ高まらない、という悪循環に陥っているようでもある。とすれば、単純に考えると、働く時間を短縮することで、疲労を軽減し、心身ともにリフレッシュして仕事に取り組むことで、モチベーションが上がり、成果を高めていく好循環へと導くことができそうだ。
しかしながら、現実には、長時間労働の呪縛から労働者を解き放つことは思いのほか難しい。日本企業の多くは、時間制で給料を計算しているため、成果はともかくも、働いた時間が長いほど多くの給料を支払うシステムになってしまっている。残業しないことは、収入が減ることを意味する場合も多い。収入が減ってしまっては困るので、残業をして長時間働くことを選択せざるを得ない状況に置かれているのである。残業を選択すれば、休息や家族と一緒に過ごす時間が少なくなり、心身ともに疲労、ストレスが溜まっていく。その結果、長時間働いても成果はそれほど伸びないことになる。すなわち、長時間労働は、企業にとっては、余計で無駄な資金を投入しなければならない事態を意味しており、労働生産性が低迷する根源といってもよい。
さて、日本が抱える労働生産性の低迷傾向を克服するには、どのような手立てがあるのだろうか。社会心理学の視点から捉えるとき、この問題の原因には、日本独特の文化的な要素や日本人の自己観といったメンタリティーも色濃く関係していることが考えられる。次回は、日本人の労働時間が長くなっている理由を、経済的な視点だけでなく、社会心理学的な視点からも解きほぐしつつ、ストレスを緩和し、心身を健全に方向づけ、生産性や付加価値の創造を動機づける方策について考えていくことにしたい。
※先生のご所属は執筆当時のものです。
関連サービス
-
第134回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 5 ~日本人のメンタリティーと社会や組織の革新性との関係について~ 前の記事へ
-
第136回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 7 ~労働生産性向上の視点から(後半)~
次の記事へ
関連記事一覧
第172回 合従連衡による多数派形成は紛争を解決に導くか~パワーダイナミクスに関する社会心理学的研究の視点から~
第171回 強さを背景に利己的に振る舞う相手には、どのように対応すれば良いのだろうか~紛争に関する社会心理学的研究の視点から~
第170回 日本の組織で仕事の効率が上がらない理由を考える~社会心理学的視点から~
第169回 時代を超えて効果的リーダーシップの中核にあるもの~変革型リーダーシップ論を踏まえて~
第168回 混沌とした状況におけるリーダー行動について考える~ライフサイクル理論の視点から~
第167回 挑戦心の源について考える~やる気を見せない従業員や部下の挑戦心に火をつけるには~
第166回 組織に心理的安全性を醸成しようとするときの心理的ハードル(3)~部下が抱く管理職への「暗黙の期待」との向き合い方~
第165回 組織に心理的安全性を醸成しようとするときの心理的ハードル(2)~対話と調整に基軸を置くリーダー行動と組織の混沌~
第164回 組織に心理的安全性を醸成しようとするときの心理的ハードル(1)~「もの言う」動機づけにブレーキをかける職場の権威勾配~
第163回 国際化が進む日本社会における人々の心理について考える
第162回 組織の中の世代間意識ギャップについて考える
第161回 人手不足解消への道筋を考える(4)~女性を積極的に雇用するアプローチ~
第160回 人手不足解消への道筋を考える(3)~海外からの労働者を積極的に雇用するアプローチ~
第159回 人手不足解消への道筋を考える(2)~高齢者を積極的に雇用するアプローチ~
第158回 人手不足解消への道筋を考える(1)~不本意な離職を少なくしていくアプローチ~
第157回 組織的不祥事が繰り返し起こる理由を考える~「組織ならでは」の心理学的特性を視野に入れつつ~
第156回 どんなリーダーシップがチームを真のチームとして機能させるのか(2)~多様性豊かな組織の強みを引き出す包摂的リーダーシップ~
第155回 どんなリーダーシップがチームを真のチームとして機能させるのか~ネガティブ・フィードバックの大切さに着目して~
第154回 「部下を動かす」力について考える~監督と管理者の違いに注目しながら~
第153回 意識や行動を変える「力」について考える ~自律的に変化を作り出す力はどこから来るか~
第152回 心理の世界で働く「慣性の法則」について考える ~変わ「ら」ないのか、変わ「れ」ないのか~
第151回 AI(人工知能)の飛躍的進歩と人間の働き方
第150回 管理職に求められるリーダーシップ行動の変容 〜指示・命令から傾聴そして支援へ〜
第149回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(8) 〜「集団主義」的傾向のダークサイド、ブライトサイド〜
第148回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(7) 〜自己卑下的に発言し、振る舞うことの影響〜
第147回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(6) 〜ランキングに一喜一憂?〜
第146回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(5) 〜リスク・コミュニケーションの難しさ〜
第145回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(4) 〜リスクをできるだけ回避しようとする傾向〜
第144回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(3) 〜資産形成は投資よりも貯金を優先する傾向〜
第143回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(2) 〜“ガラパゴス化”について〜
第142回 「日本的」な社会・集合現象について社会心理学的視点から考える(1) 〜長時間労働問題について〜
第141回 リーダーシップの社会心理学(5) 〜リーダーシップ観の変遷とこれから〜
第140回 リーダーシップの社会心理学(4) 〜リーダーの影響力と「人脈」〜
第139回 リーダーシップの社会心理学(3) 〜リーダーの影響力を育み強化する基盤について〜
第138回 リーダーシップの社会心理学(2) 〜再考:どんなリーダーがメンバーから高く評価されるのか〜
第137回 リーダーシップの社会心理学(1) 〜リーダーシップ幻想論(Romance of Leadership)について〜
第136回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 7 ~労働生産性向上の視点から(後半)~
第134回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 5 ~日本人のメンタリティーと社会や組織の革新性との関係について~
第133回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 4 ~組織における「常識・当たり前」を考え直してみる~
第132回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 3 ~どうやって新規な取り組みへの挑戦を動機づけるか~
第131回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える 2 ~"奇想天外"を面白がる心のゆとりはどこから来るのか~
第130回 社会心理学的視点で社会と組織の活力の源泉を考える ~"奇想天外"を面白がる"雰囲気""風土"の大切さ~
第129回 人々の社会への協力行動を引き出す働きかけを考える ~懲罰を伴う強権発動に行き着く前に~
第128回 リモートワーク時代の職場のチームワークを考える(4) ~「失敗から学ぶ組織」作りを支えるリーダーシップとは~
第127回 リモートワーク時代の職場のチームワークを考える(3) ~チーム・コミュニケーションの活性化をはかる管理職のリーダーシップとは~
第126回 リモートワーク時代の職場のチームワークを考える(2)~難局・危機的状況に立ち向かう管理職のリーダーシップ~
第125回 リモートワーク時代の職場のチームワークを考える(1)~オンライン・コミュニケーションのメリットを生かし、デメリットを克服する道筋~
第124回 デジタル化が進む職場の「心理的安全性」について~批判や攻撃を恐れず自由闊達な意見交換の場にしていくには~
第123回 リモートワーク環境とチームワーク形成 ~集団力学的視点から~
第122回 リモートワークの普及がワークライフにもたらすもの ~社会的アイデンティティの観点から~
第121回 トレードオフの苦境をいかに乗り越えていくか ~優先順位の付け方を人間の欲求階層説から考える~
第120回 人間の行動選択と社会の心理学的「場」の関係性を考える ~新型コロナウイルス禍における自粛要請と"Go Toキャンペーン"の相剋を題材に~
第119回 認知バイアスをうまく活用して人々を特定の行動に導く方法~「ナッジ」や「仕掛け学」を参考に~
第118回 大切なことだとわかっていても「自分には必要ない」と思ってしまうのはなぜか~接触確認アプリ(COCOA)の普及が進まない理由を社会心理学的視点で考える(2)~
第117回 なぜ人々は動かないのか。何が人々を動かすのか。 ~接触確認アプリ(COCOA)の普及が進まない理由を社会心理学的視点で考える(1)~
第116回 デジタル化が進む職場コミュニケーションとどう向き合うか ~バーチャル・チームの実情に注目しながら~
第115回 職場の雑談やおしゃべりがもたらすメリットとデメリット
第114回 急な組織コミュニケーションの変容で働く意識はどう変わるか
第113回 職場を真の「安全基地」とするために-リスクを過剰に恐れず前向きに挑戦する行動を引き出すには-
第112回 セキュアベースであるための核心はリスク・テイキングを動機づけること-「安全基地」的組織を目指して(2)-
第111回 なぜセキュアベース理論が注目されるのか -「安全基地」的組織を目指して(1)-
第110回 ワーク・ライフ・バランスの未来図- AI(人工知能)は「働き方」をどのように変えるのだろうか -
第109回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味(6)- 管理者のリーダーシップ育成をめぐって④ -
第108回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味(5)- リーダーシップ育成をめぐって③ <番外編> -
第107回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味(4)- 管理者のリーダーシップ育成をめぐって② -
第106回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味(3)- 管理者のリーダーシップ育成をめぐって① -
第105回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味(2) -「やりがい搾取」問題をめぐって-
第104回 人的資源管理に「心」の要素を考慮することの意味 - 終身雇用制廃止を巡る議論を題材に -
第103回 「評判」の持つ社会的機能について考えてみる-現代社会において評判はどのくらい大切なものなのか-
第102回 どうすればギクシャクした対人関係を丸くおさめられるのか-「雨降って地固まる」型の対人葛藤解決方略を求めて-
第101回 外国語を使う必要がなくなる日は来るか-Society5.0構想と関連づけながら-
第100回 ホンネ(本音)が飛び交う議論の功罪-組織や社会の安定とタテマエの働き-
第99回 「ダメ出し」をハラスメントと受け取られないようにするにはどうしたらよいのか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑩-
第98回 勤勉は美徳か?なぜそんなに一所懸命に働くのか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑨-
第97回 年上の部下とのコミュニケーションが難しく感じられるのはなぜか?-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑧-
第96回 「理想のリーダー像」が人によって異なることが生み出す上司と部下のすれ違い-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑦-
第95回 どうすれば上司-部下間のコミュニケーションはよいものになるのだろうか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑥-
第94回 「空気を読む」ことは賢い社会・組織を作り上げるのに有効なのだろうか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う⑤-
第93回 新入社員をひとくくりにして「レッテルを貼る」行為はなぜなくならないのか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う④-
第92回 懲りたはずなのに、なぜバブル経済現象は繰り返し起こるのか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う③-
第91回 エスカレーターで片側をあけて乗る行為は危険なのになぜ無くならないのか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う②-
第90回 応援は選手のパフォーマンスを高めるのだろうか-社会心理学的視点で素朴な疑問に向き合う①-
第89回 緻密な人間行動観察が明らかにする事実-従業員の幸福感の高さが組織の業績を左右する?-
第88回 フレーミング・シフトはどのように進めるとよいか-「職場は学習の場」というフレーミング確立に向けて-
第87回 「職場とは何か」をとらえ直す-働くことのフレーミングをより建設的なものにシフトさせるには-
第86回 職場を「学習する場」としてフレーミングするには-「作業の場」としてのフレーミングからの脱却-
第85回 職場集団をチームとして機能させる取り組み-「やらされ感」からの脱却への道筋-
第84回 多様な意見が飛び交う社会や組織を築く鍵(2)-「心理的安全(psychological safety)」を高める方策-
第83回 多様な意見が飛び交う社会や組織を築く鍵(1)-「心理的安全(psychological safety)」の研究を参考に-
第82回 自国第一主義が社会に蔓延するプロセスを考える-集団間関係に関する社会心理学研究をふまえて-
第81回 自国第一主義は自国民を守るか-集団主義に関する社会心理学的研究をふまえて-
第80回 自国中心主義の行きつく果て:「意図せざる結果」としての共貧
第79回 ロイヤルティ・プログラムの効果について:現金値引きよりもサービスポイントの方が魅力的なことがあるのだろうか?
第78回 『振り込め詐欺』の被害はなぜなくならないか
第77回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(6)-集合現象に関する社会心理学研究を参考に-
第76回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(5)-説得行動に関する社会心理学研究を参考に-
第75回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(4)-少数者影響過程の実証研究を参考に-
第74回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(3)-ラタネたちのシミュレーション実験を参考に-
第73回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(2)-サッカー効果に注目して-
第72回 ひとりの行動が社会変動に結びつくとき(1)-投票行動に注目して-
第71回 信頼性の高い行動観察を行うために(5)-「他人の目」からの解放は人間行動にいかなる影響を及ぼすか-
第70回 信頼性の高い行動観察を行うために(4)-「他人の目」を意識することはどれほど行動に影響するか-
第69回 信頼性の高い行動観察を行うために(3)-人々の行動に表れる「社会への信頼」-
第68回 信頼性の高い行動観察を行うために(2)-「攻撃行動」の背後で働いている心理②-
第67回 信頼性の高い行動観察を行うために(1)-「攻撃行動」の背後で働いている心理①-
第66回 行動観察を活かすための課題 - 観察した行動からその発生原因を正しく推測できるか -
第65回 職場のチームワーク再考(2)-職務特性によって異なるチームワーク-
第64回 職場のチームワーク再考(1)-職場はチームになりうるのか-
第63回 組織の集合知性を育むには(4)-メンバーの視野を広げる働きかけとは-
第62回 組織の集合知性を育むには(3)-視野の狭まりと広がりがもたらす影響-
第61回 組織の集合知性を育むには(2)-組織に潜在する集合知性の創発を阻む障壁-
第60回 組織の集合知性を育むには(1)-集団に宿る知性とは-
第59回 会議の社会心理学(8)-職場の仲間と情報を共有するための知恵-
第58回 会議の社会心理学(7)-話し合えば情報共有できるという幻想の罠-
第57回 会議の社会心理学(6)-「裸の王様」現象による決定の歪み-
第56回 会議の社会心理学(5)-話し合いは民意を反映するか-
第55回 会議の社会心理学(4)-話し合いは創造的アイディアを生み出すか-
第54回 会議の社会心理学(3)-話し合いが暴走してしまうとき②-
第53回 会議の社会心理学(2)-話し合いが暴走してしまうとき①-
第52回 会議の社会心理学(1)-話し合えば的確な決定を導けるか-
第51回 やるべきことを先送りしてしまう心理的罠から抜け出せるものだろうか-「双曲割引」の意思決定バイアスの克服法をめぐって-
第50回 なぜ、やるべきことを先送りしてしまうのか-「双曲割引」の意思決定バイアス-
第49回 人間行動の直観的判断の不可解さと面白さについて(5)-なぜ縁起をかついでしまうのか-
第48回 人間行動の直観的判断の不可解さと面白さについて(4)-「メンタルショットガン」の影響-
第47回 人間行動の直観的判断の不可解さと面白さについて(3)-「確証バイアス」の影響-
第46回 人間行動の直観的判断の不可解さと面白さについて(2)-「あと知恵バイアス」の影響-
第45回 人間行動の直観的判断の不可解さと面白さについて(1)-「利用可能性」ヒューリスティックの影響-
第44回 専門家の直感は信用できるか
第43回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(6)-交渉場面を題材に④-
第42回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(5)-交渉場面を題材に③-
第41回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(4)-交渉場面を題材に②-
第40回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(3)-交渉場面を題材に①-
第39回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(2)-行動経済学と社会心理学③-
第38回 「なんとなく」な意思決定の背後にある心理(1)-行動経済学と社会心理学②-
第37回 人間の行動は「不合理」なのだろうか-行動経済学と社会心理学①-
第36回 他者の心を正しく読むことができるか
第35回 他者のしぐさから、その他者の心を読み取れるか
第34回 コミュニケーションで伝わるもの
第33回 チーム力、組織力とは何かについて考える(8)-"急がば回れ"のミッション共有戦略-
第32回 チーム力、組織力とは何かについて考える(7)-ミッション共有は意外と難しい-
第31回 チーム力、組織力とは何かについて考える(6)-ミッションの共有への取り組み-
第30回 チーム力、組織力とは何かについて考える(5)-プロアクティブな実践の基盤-
第29回 チーム力、組織力とは何かについて考える(4)-プロアクティブ行動という視点-
第28回 チーム力、組織力とは何かについて考える(3)-レジリエンスを高める組織マネジメント②-
第27回 チーム力、組織力とは何かについて考える(2)-レジリエンスを高める組織マネジメント①-
第26回 チーム力、組織力とは何かについて考える(1)-レジリエンス-
第25回 相互理解のコミュニケーションを考える-互いに信頼し、困難と向き合うために-
第24回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(6)-リスク認知とリスク評価の心理学-
第23回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(5)-リスク・コミュニケーションとクライシス・コミュニケーション-
第22回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(4)-アサーティブなコミュニケーションについて-
第21回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(3)-説得と心理的リアクタンス(反発)の関係に注目して-
第20回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(2)-依頼や要請の効果的方略の研究を参考に②-
第19回 効果的な説得的コミュニケーションのあり方をめぐって(1)-依頼や要請の効果的方略の研究を参考に①-
第18回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(6)-社会的影響力と説得的コミュニケーションの視点から-
第17回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(5)-コミュニケーション行動研究の知見から③-
第16回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(4)-コミュニケーション行動研究の知見から②-
第15回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(3)-コミュニケーション行動研究の知見から①-
第14回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(2)-援助行動研究の知見から-
第13回 何気ない行動から人間の社会性と心理を解明する取り組み(1)-S. Milgramのロストレター・テクニック-
第12回 チームワークの良さは観察すればわかるか?- “百聞は一見にしかず”行動観察の意義の核心をめぐって-
第11回 どうすれば優れたチームワークを育むことができるか(2)-チーム・マネジメントの心理学②-
第10回 どうすれば優れたチームワークを育むことができるか(1)-チーム・マネジメントの心理学①-
第9回 チームワークと行動観察-"こころがひとつになる"と何が違ってくるのか-
第8回 組織の規範変革と社会心理学-集団に「こころ」を想定することの是非をめぐって-
第7回 組織の規範とメンバーの職務動機づけ(やる気)の関係-リターン・ポテンシャル・モデルを参考にして-
第6回 部下のやる気を引き出す働きかけとは?-コーチングの視点に基づいて-
第5回 人間のやる気はどのように行動に表れるだろうか-動機づけに関する社会心理学研究の視点から-
第4回 部下のやる気と行動を引き出す管理職の働きかけとは-リーダーシップに関する社会心理学研究の視点から-
第3回 多数者意見の影響力は個人の行動をどのくらい束縛するか-同調行動に関する社会心理学の研究-
第2回 流行や普及の社会現象の発生メカニズムと行動観察-T.C. Schellingの「限界質量」の理論を題材にして-
第1回 行動を観察すれば人間心理のどこまでを明らかにすることができるのだろうか-S. Milgramの「空を見上げる人々」実験を題材にして-