第21回 サービスの設計項目から、サービスシステムの問題点を探る(2)

2011.11.04 山岡 俊樹 先生

 前回は気配りであったが、今回は気配りから、次に行う「適切な対応」について述べる。気配りで何か問題点を見つけた場合、適切な対応を取らねばならない。適切な対応をするには、まず顧客を「安心」させ、「正確」な情報を入手し、「平等」で「柔軟」な対応を「迅速」に行う必要がある。従って、(1)「安心」、(2)「正確」、(3)「平等」、(4)「柔軟」、(5)「迅速(時間)」の5側面から観察を行い、問題点や要求事項を抽出する。

(1)安心
 顧客がサービスを受ける前、製品の購入と違い確認できず、どのようなサービスを受けるのか情報がないので不安である。このため、サービス提供者はサービスの関連情報を提示するとか、親しみのある態度を示すことにより、顧客の不安感を無くすようにしなくてはならない。


 図1 台北での屋台

 図1は、台北での屋台で、商品を味見させてくれて、確認した上で購入することができる。また、ファーストフード店では、商品を容易に選ぶことができる様に、大きな写真で商品と値段を示している。

 このように安心には、サービス提供システムに、事前に何らかの仕組みを組み込んでおくことが大事である。

(2)正確
 その言葉通り、正確な対応をすることである。例えば、レストランでは注文を取る時、メモを取り復唱して、顧客に正確な対応をしている。以前、イタリアのミラノに行った時、面倒なので空港から市内までタクシーを利用した。乗る前に近い距離なので、それほど時間がかからないと言われ安心したのだが、実際は逆で1時間以上かかり散財した。情報は正確に伝えなければならない。

(3)平等
 どの顧客でも平等に対応するという基本的なサービス設計項目である。レストランで料理を作る順番から、あるいは料理の時間がかかるためか、後で頼んだお客の料理が先に配膳され、先に頼んだお客が怒り出す場合がある。料理に時間がかかる場合は、先の「安心」と関係するが、事前のその情報をお客に伝え、了解を得ることも大事である。

(4)柔軟
 サービスデザインコンセプトに基づき、自由裁量を任されたサービス提供者の判断による対応である。単に自由裁量を与えるのでなく、コンセプトという方針の下でなされなければならない。レストランやホテルで若い担当者に聞くと、権限委譲されていないらしく、責任者に聞いてきますといった対応に出会うことがある。この場合、柔軟な対応ができず、しかも迅速な対応もできないということになる。

(5)迅速
 サービスの提供時間やサービス遂行に係る時間等、時間にかかわるサービス設計項目である。
迅速でない原因は、そのサービス提供システムの欠陥であることが多い。


 図2 病院の会計

 柔軟な対応は、他の4項目と違い構成要素が多くあるので、事前に何通りかのシナリオを組み込んでおく必要がある。安心と迅速はサービス提供システムとの関わり合いが強いので、事前に対応しておく。正確と平等は複雑な要素ではないので、それほど難しくはない。

 これらの5項目を活用して観察することにより、サービスの対応の問題点を抽出することができ、その原因も特定できる。

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