第43回 サインについて考える

2014.02.20 山岡 俊樹 先生

 図1は東京の地下鉄の住吉駅の案内図であるが、私は地図情報と現実の環境との対応付けが上手くゆかず、間違った方向に行ってしまった。つまり、立っているところがどの通路に相当し、どちらの方向に行けばいいのかが分からなかったためである。

 図2の谷町四丁目の駅の構内案内図は、谷町線と中央線が交差しているので、複雑であり分かりにくい。

 最近、困った経験をしたのは、梅田の地下街で地下鉄の東梅田駅を探したときであった。東梅田駅はこちらの方向だと表示されていたので、従ってゆくとあるところで表示されておらず、全く分からなくなった(図3)。また、梅田の地下街は複雑で、案内板を見てもなかなかそのレイアウトをイメージできない。

 通常、案内表示は天井から吊したり、壁面に垂直に設置されたりするが、これらの表示の案内では不十分の場合,床に直接表示される場合がある(図4)。

 また、デザインは綺麗であるが、見にくい案内表示板もある。表示が見えるための条件は、(1)視角,(2)コントラスト(対比)、(3)明るさ、(4)露出時間(見る時間)であるが、表示部が小さく、表示部分と背景とのコントラストが弱く、見づらい場合がある。図5では、表示文字、数字の大きさが小さく、矢印の色がグレーのため、コントラストが弱く見にくくなっている。

 以上の問題点をまとめると以下の通りとなる。
1.現在の自分が立っている場所は分かるが、目的地はどの方向か分からない(図1)。
2.情報間の関係が複雑で分かりにくい(図2)。
3.情報提示の一貫性がない(図3)。
4.サインは多様なユーザに情報を提供する役割があるので,立位の眼高以上に設置されるが、限界があり、その場合、床に補助的に表示を行っている(図4)。しかし、床表示の場合、多数の人がいる場合、役に立たない。
5.サインが見えるための原則を守らないデザインがある。視力に配慮すべきユーザの場合、役に立たないことが考えられる(図5)。

 今まで、様々なサインを観察してきたが、この5つの問題に帰結しそうである。次回、この対策を考えたい。





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