第17回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(5)

2011.07.01 山岡 俊樹 先生

 よくCDを入れる透明プラスチックケースのヒンジ部分の突起が取れて開閉ができなくなったり、傘立ての傘を仕切るパイプが凹んでいたりするのを目にする。この場合、ユーザの使い方が乱暴であるという見方とそもそも製品の方が衝撃や外部の力に対して弱いためとも考えることができる。これに対し、衝撃や外部の力に対して強い頑強性をロバストという。ここでは製品を対象としてロバストか否か観察する視点を紹介する。製品やシステムのある部分がロバストの設計になっているというのは、何らかの応力が係ることを示している。そして、その理由を探っていくと様々な状況をくみ取ることができ、製品やシステムの置かれている状況やその設計思想を探ることができる。

以下にそのロバストデザインの5項目を示す。

(1)材料を変える
衝撃や人間との接触の多い部分を強くするため、材料を変える。
例:家電製品の操作部のシートキー部分のシートがプラスチックのため長年使用していると破れる

(2)形状に配慮する
衝撃や強い力に対して、リブ形状やラウンドの形状にするなど形状面を検討する。


 図1 ラウンド状のゴミ箱
(3)構造を検討する
強度を高めるため構造面から検討する。
例:木製の本棚などで剛性を高めるため筋交いをつける

(4)応力に対し逃げのデザインをする
力がある部分に加わった場合、システム全体に影響がなく、壊れないように検討する。

 

 図2 スポーツ靴のソール部分

(5)ユーザの無意識な行動に対応したデザインにする
ユーザの無意識の行為に対して頑強であるように対応する。

 


 図3 電話機が取り付けられたパネル部分の下部にパイプを配置し、
 旅行鞄などをぶつけられても問題ないように配慮されている


 

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