第24回 人間を把握する(6)

2018.05.29 山岡 俊樹 先生

 ブルーグラス音楽のCD4枚組をネットで注文し、受け取りを待っていたが、たまたま不在であったので宅配便を受け取ることができなかった。そこで運転手に連絡を取り、翌日の19:00に配達をお願いした。ところが翌日、19:00前に帰宅するとどういう訳か、当日の11:00の不在票が玄関の郵便受けに置かれてあった。この運転手は18:00以降電話の受け取りはしないと書かれてあり、地域の集積センターに問い合わせをしたところ、「この運転手に連絡するので、ケイタイで待ってくれ」と言われた。そこで30分以上待ったがケイタイに連絡が来ない。近くのコンビニに行く用事があり、またコンビニに行っていてもケイタイに連絡がくればすぐに戻れると思い、出かけた。しかし、この判断が失敗の原因であった。というのは出かけている最中に、電話をしないで、この運転手が荷物を持参したというのが翌日判明した。

 この失敗の原因は、ケイタイに連絡をさせるという情報のみに頼り切ったことにある。もう少し構造的、柔軟に考えれば、運転手が電話をせずに直接持ってくることも可能性として考えるべきであった。これは一種の思い込みで、広い意味でのヒューマンエラーのミステイクに繋がる。このことは単線思考ではなく構造的に考える必要性を示している。別の表現で言えば、単純な因果関係で考察、観察するだけではなく、幅広く構造的に考えることである。

 更にこの話の続きとして失敗談が続く。受け取ったCD4枚のパッケージが、丁度LPが入るような平たいパッケージだったので、LP4枚と勘違いをした。その原因は以下のとおりである。

①CD4枚組の場合、通常縦方向にCDを積み上げる方法なので、このようなサイズというメンタルモデルができてしまい、ミステイクを起こしてしまった。

②1960年代のブルーグラス音楽なので、CD化していないと思った。また、最近のLPの再認識の動きも判断に影響を与えた。

③通常注文してから2-3日で届くのが、3週間も予定していたので、この情報がLPのためと勘違いをさせた。

④パッケージの表面がLPをイメージさせるデザインとなっていた。

 商品の紹介サイトで、LP表示を見損ねたと思い違いをしていたと考えていたが、数日後、もしそうならばはっきりLPと表示するはずであったと思いなおし、再度見るとCDと表記されていた。そこでパッケージを開けてみると、CD4枚が平面上に4枚並べてあった。

 失敗談と言っても被害はなかったが、思い込みの強さに閉口した。思い込みを打破するには、強いメンタルモデルを構築する情報と構造的に考える思考が必要である。

 このような思い込みを我々の日常生活で行っていないだろうか?マスコミを通じて伝わる人々やシステムのイメージは思い込みではないのか?似た話としてプラトンの洞窟の比喩がある。参考にされたい。

※先生のご所属は執筆当時のものです。

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