第33回 マクロとミクロの視点で観察する(2)

2013.03.22 山岡 俊樹 先生

 用事があり神戸の元町に出かけた。折角行ったので、中華街に寄ってみた。この街では、お店の前に屋台を出し、食べ物を一口で食べられるように工夫して、気楽に歩きながら食べることができるようになっている。気楽に食べられる仕組みは、サービスとしてなかなか興味深い。そこで、串刺しにした鶏の唐揚げを購入して、ぶらぶらと歩いて食べたのであるが、ゴミ箱がないのが分かった。そこで、購入したお店に戻って串を捨ててもらった。よーく見ると通行の皆さん、食欲旺盛で食べながら歩いているのだが、どこへ捨てているのか分からない。いろいろ調べてみたが、ゴミ箱は見ることができなかった。そうするとそれほど多くはなかったが、中華街の入り口の石像の土台の他にゴミが無造作に置かれてあった。

 

 その後、中華街から少し離れたコンビニを通った際、コンビニのゴミ箱にゴミの持ち込み禁止と書かれたステッカーが貼ってあった。ステッカーを使っていることは、自社のお店に大量に貼っていることと推測できる。


 更に歩いて三宮駅前に行くとポイ捨て防止重点区域があった。この区域ではタバコの吸い殻入れは置いているがゴミ箱は見ることができなかった。その代わり、ゴミを持ち帰ってくれとの表示が多く置かれてあった。

 元町駅に戻る道すがら自販機の横に置かれているジュースの缶入れのゴミ箱に様々な関係のないゴミが押し込まれてあった。このゴミ箱の上には、紙コップやコンビニのものは、他のところにゴミ箱があるので、そこに捨てるようにと書かれてあった。

 更に、元町の駅から元町の山側の方に歩いて行くと、ここにゴミを捨てるなと書かれてある表示板の下にゴミが置かれてあった。さらに目を転じるとゴミを捨てる日が書かれた表示板や観葉植物を植えた鉢がかなり多く置かれてあった。

 以上のミクロ的な視点による観察事項から構造的にこの現象を解析してみる。第30で紹介したREMの"結果-原因"の切り口から得た観察事項を分解してゆくと、"市の財政を豊かにする"という根本原因が見つかった。市の一部を観察したデータを基にしているので、絶対ではないが、参考になると思われる。表面的な解釈では街を綺麗にしたいのだなと理解できるのだが、更に深く追求するとこの様なベクトルが推測された。

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