第22回 サービスの設計項目から、サービスシステムの問題点を探る(3)

2011.12.02 山岡 俊樹 先生

 気配りを行い、今回紹介する「態度」で「適切な対応」を行う。

 態度とは、顧客に示す表情、身ぶり、言葉使いなどで、顧客に「共感」「寛容」の姿勢を示すことにより、「好印象」「信頼感」を与えることができる。

1) 共感:顧客の状況を自分も同じように感じ、理解する
2) 寛容:人を受け入れる
3) 好印象:良い感じが心に残る
4) 信頼感:信じて頼られる

 共感と寛容により、顧客の状況を把握し、全てを包み込むような姿勢を示し、好印象と信頼感を得られるようにしなければならない。

 態度はその国の事情によって、それレベル、内容が異なるので何とも言えないが外国で受けた態度の事例を示す。

<事例>-----------------------------------------------------

1. 米国・ラスベガスで行われたインタフェースの国際学会の会場のホテルでのこと。コンシェルジェと思われる女性に場所を聞いたところ、つっけんどんで指であちらというような仕草を示し、ふてくされていた(と感じられた)。多分、本人はビジネスライクで対応したのであろうが、あまり良い気分ではなかった。

2. 米国・ニューヨークでのスーパーやシアトルのホテルでの出来事。スーパーでの購入時やホテルでのチェックイン時、サービス提供者同志で話に夢中になり、雑談をしながら対応していた。因みにこのホテルは中の上のランクである。

3. フランス・パリのホテルでの出来事。チェックアウトの時、前日の担当者との情報の連絡が悪かったのか、支払った金額を請求されたので、支払ったというと、急に感情的になり怒り出した。サービス提供者はどんなことがあっても感情を出さず冷静に対応するのが、ホテルマンとして必要な最低レベルの能力である。

4. 中国・北京のショッピングセンターでのこと。センター内を歩いていたら、化粧品の販売員(女性)につかまり、腕に化粧品を塗られ、笑いながら強引にこれを買えとうるさく言われた。完全に遊び感覚の対応のようで、販売員の質がかなり悪いと言わざるを得ない。

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 事例1、2は国民性なのだろうと感じた。しかし、良い印象を与えないことは確かである。3、4の事例は、共感、寛容の気持ちが無く、サービス提供者として必要な最低レベルの能力も持っていないことを示す例である。

 サービス提供者の態度を観察することにより、そのサービス提供組織のマネージメントのレベルを推し量ることができる。教育もせず、担当者の属性に依存した安易なマネージメントスタイルは、コストがかからないが、最終的に顧客の離反を招く。良好な態度を示すには、組織の方針とそれに基づく教育が絶対必要である。

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