第64回 制約条件を考える(10)一を知り十を知る

2015.11.24 山岡 俊樹 先生

 レストランで食事をする際、最初にまず水をくれる。ガラスコップに入った水を飲むわけであるが、その飲むための制約条件があるのに気が付いた。また、この制約条件を与えているレストランのレベルも分かるのである。

①一番多いスタイルとして、水の入ったガラスコップをテーブルに置いてくれる場合である。水がなくなれば、テーブルの上に水の入ったポットが置かれてあるので、これで継ぎ足せばよい。
②水の入ったガラスコップをテーブルに置いてくれるが、テーブルの上にはポットが無い。
この場合は、店員が来て継ぎ足してくれるのである。しかも、食事を始め何分かすると店員が来て、今度はお茶を運んでくれるのである。しかし、時々水の継ぎ足しを忘れてしまう場合もある。
③空のコップと水の入ったポットを店員が持ってきておいてくれる。従ってこの場合は顧客が自分で水を注がなければならない。

 因みに①と②のお店の料理の平均単価は、800円から1000円程度であり、③は①と②よりも少し高めで、1000円を少し超す程度である。①の問題点はポットの水が温くなる場合があるので、コップには氷と水を入れてある。③の方は、温くなった水を避けるため、調理場で冷えている水を入れたポットを持ってきてくれているのかもしれない。しかし、なぜ注がないで戻ってしまうのか?

 昔のことわざで「一を知り十を知る」というのがある。実はこういう水を出すという些細な情報でも、その店の本質を把握することができるのである。遅刻をよくする学生が、レポートの提出も遅れるということがよくあるが、これと同じである。この場合、②>①>③のサービスと判断できる。水の出し方だけでなく、料理の質とその値段、従業員の接客態度もチェックすると同様の評価結果であった。水の出し方という些細なことであるが、その企業の考え方のすべてがそこに凝縮されているのだろうと思われる。そのレストランの方針がこの些細な情報からすべてわかるが、一(水の出し方)を知り十(企業の方針)を知るということである。

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