第41回 表示を観察する(2)-効率の良い情報入手-

2013.12.18 山岡 俊樹 先生

 先日、谷町線の南森町駅から天王寺駅に行くため、ホームに向かったとき図1の写真の行き先表示を見たとき、一瞬行き先の確認ができなかった。図1にある通り、天満橋と天王寺の最初の文字が天なので紛らわしかったのと天満橋と南森町の位置関係が直感的に分からなかったためである。じっくり見ると行き先表示板の真ん中に天王寺が表示されており、確認できたわけである。多分、天満橋は次の駅で八尾南は終点であるので記載し、天王寺は乗り換えなどの中核駅なので記載したのであろう。しかし、大多数のユーザは天王寺を知っているだろうが、天満橋と八尾南はそれほど知られていない。知らない駅はどの方向か分からない。

 人間の情報処理特性として、省略と強調がある。省略とは必要な情報のみ取り入れるという機能で、その為、我々の目と耳はある範囲しか見えないし、聞こえない。我々の目が超高感度ならば、相手の顔を見るとき、顔の前にある空間に浮遊する様々なものも見えて、最終的には相手の顔が見にくくなってしまう弊害を生じる。強調は専門的な説明は省くが、効率よく情報を入手するための働きがある。例えば白の紙と黒の紙を合わせ、その境目を見ると白の部分はより白く、黒の部分はより黒く見えるのが分かる。この様に強調によって境目を目立たせて、情報入手を容易にさせている。

 


 

 従って、この方面表示には、天王寺の文字を大きくすると目がそちらに行くので、容易に理解ができる。図2(B)の改良案はどう見えるだろうか?この1番線は天王寺方面に行きます、次の駅が天満橋で、終点が八尾南です、と容易に読み取れないだろうか?

 同様なことは、電気製品でも見られた。図3の全自動洗濯機の操作部を見てほしい。(洗濯),(洗乾),(乾燥)と3つの切替ボタンがあるのだが,一番使用頻度の高いのが(洗乾)のボタンであろう。同じような文言が表示されているので、最初、よく考えもせず左側の最初に出ているボタンが全機能を意味し,それ以外は付属的な機能と勘違いし,(洗濯)のボタンを押してしまった。よくよく考えると(洗乾)を押せばよいのが分かったが、紛らわしいのは事実である。(洗乾)のボタンの枠線を太くするとか、(洗濯+乾燥)と表示するとか、いろいろ改良案を検討すべきであろう。

 

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