第1回 観察の方法

2009.07.22 山岡 俊樹 先生

 観察の方法について、今後12回に分けて執筆する。

 第1回は観察の大まかな方法について述べる。そもそもなぜ観察が着目されるようになったのだろうか?

 20世紀は技術の時代で、新しい技術で作れば何でも売れた時代であった。家電製品がその代表例であろう。しかし、生活が豊かになった21世紀では、ユーザのニーズ、ウォンツに基づいたきめ細かな製品開発が望まれている。このような背景から観察が製品開発の重要な手法と着目されてきたと理解できる。

 ところで、広辞苑では観察の定義を「物事の真の姿を間違いなく理解しようとよく見る。」と書かれてある。つまり、観察したい対象物を直接よく見て理解することであることが分かる。ただ、単に見てもなかなか分からないので、ある見る基準に従って見るとよくみえてくる。これが著者の考えている直接観察法である。

 一方、技術が発展し、ビデオカメラなどを活用すれば我々が観察場所にいなくとも、見るのを機械に任せ、あとで分析すればよいという方法も開発されてきた。これが間接観察法である。次回以降、この両方法について述べてゆく。

※先生のご所属は執筆当時のものです。

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