第24回 サービスを構造的に観察する(1)

2012.02.03 山岡 俊樹 先生

 4回にわたってサービスの観察について述べたが、それらをまとめて構造的に観察する方法を2回にわたって述べる。

 構造的に見るというのは、あるフレーム(枠組)を想定して見てゆく方法である。通常、観察者は観察対象に対して、自分の知識を基に判断するので、豊富な知識が必要となる。しかし、このような豊富な知識を持たない場合、下記に示すようなフレームによって構造的に見ることができる。


 図1 フレームで構造的に見てゆく

 このフレームに相当するのが、サービスの構造である。このサービスの構造から観察対象を大まかにとらえることができる。
 サービスの構造はB(ビジネス)2C(消費者)を基本に考えると、下記のような構造を考えることができる。


 図2 サービスの構造図

(1)やりとりは、通常の「人間-機械系」のHMI(human Machine Interface)である。このやり取りでは、人間の“1)情報入手”→“2)理解・判断”→“3)操作”の情報処理プロセスから問題点を見つけたり、要求事項を特定する。
(2)やりとりは、「顧客-サービス提供者」の関係からサービスを提供される際の問題点や要求事項を決める。問題点や要求事項は、先のHMIのプロセスと対応させて、“1)気配り(情報入手)”→“2)適切な対応(理解・判断)“→”3)操作(操作)“のプロセスから検討すればよい。顧客にとって、相手が機械であろうと人間(サービス提供者)であろうと、行う情報処理プロセスは同じだからである。
(3)(4)は、「環境-顧客・サービス提供者」の関係である。この側面では、主に1)温度、湿度、気流、2)照明、3)騒音、振動、などで、人間と環境が係わる項目である。
(5)は「サービス提供者-機械」の関係で、主に機械のメンテナンスが係わる。
 以上の(1)から(5)までの項目は、すべてマネージメントに統制される。例えば、サービス提供者の態度が悪い場合、従業員に対する教育がされていなかったり、動機付けがなされていないためであると考える。態度が悪いサービス提供者に遭遇した場合、通常その本人の性格にその原因を求めがちであるが、それは確かに一部あるかもしれないが、本人の背後にある教育不足などの構造的問題点を把握することが大切である。

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