第26回 サービスを構造的に観察する(3)
2012.08.21 山岡 俊樹 先生
7月にサンフランシスコで開催された応用人間工学の国際会議に発表に行ったので、当地でのサービスの観察を行い、サービスタスク分析で評価を行った。
フィッシャーマンズワーフまでケーブルカーに乗ったので、その時のサービスの分析の一部を紹介する。タスクは個別に記述せずまとめて分析を行った。
図1 ケーブルカーのサービスタスク分析
観光用のケーブルカーで、多少不便さがあっても顧客の行動すべてが新しいユーザエクスペリエンスとなるので、6ドルを出しても納得感があると考えられる。
サンフランシスコまでの航空機のサービスタスク分析を行った。その一部を下記に示す。
図2 某航空会社のサービスタスク分析
到着後、航空機から出る際、都合により最後になったのだが、キャビンアテンダントがさも早く出てくれという態度であった。というのは我々が空港内を歩いていたら後ろからこのキャビンアテンダントの集団が急いで追い抜いていった。基本的にこのキャビンアテンダントは顧客の視点が弱く、顧客の前でキャビンアテンダントがメンバーを叱るなど、再教育の必要性があると感じた。
以上、2例はタスクをまとめて評価を行ったが、それで十分である。基本的な問題点を押さえれば、改良事項は基本的問題点をブレイクダウン(分解)して求めることができるからである。タスク毎の詳細な分析は、必要に応じて行えば良い。この場合、数が多いのでグループ化、階層化し、問題点を構造的に把握することもできる。
※先生のご所属は執筆当時のものです。
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