第2回 人間-機械系について知る-HMIの5側面-

2009.09.08 山岡 俊樹 先生

 製品開発を行う際、製品、人間-機械系(ヒューマン・マシン・インタフェース:HMI)や人間について観察し、製品、HMIやユーザの問題点からユーザ要求事項に変換して、製品コンセプトを作る。

 人間と機械との適合性に関して、HMIには5つの側面がある。これらは(1)身体的側面、(2)頭脳的(情報的)側面、(3)時間的側面、(4)環境的側面、(5)運用的側面、である。これらの5側面からHMIを観察するといろいろなユーザ要求事項を得ることができる。

 身体的側面は、人と機械(システム)との身体面での適合性である。ATMの場合、操作部の高さなどが該当項目である。頭脳的(情報的)側面は、人間と機械との情報面のやり取りに関する適合性である。ATMならば、ユーザに提示する情報が分かりやすく、見やすいなどに関する事柄である。時間的側面は、作業時間、休息時間、機械の反応時間などの時間面での適合性であり、特に、疲労の問題に大きくかかわる。

 環境的側面は、環境面での適合性であり、気候(温度、湿度、気流など)、照明、空調、騒音、振動、臭気などが関係する。

 運用的側面は、HMIを上手く運用するための側面である。昨今の複雑化、巨大化したシステムにとって、この運用的側面が安全性、サービスなどの点で重要な要素となっている。

※先生のご所属は執筆当時のものです。

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